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米国債・欧州債利回りが高止まり、中東情勢緊迫化でインフレ懸念

Summary
米国とイランの対立激化を受け、原油価格が急騰。インフレ再燃への警戒感から、世界の主要国債利回りは数週間ぶりの高水準で推移している。
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米国とイランを巡る地政学的リスクの急激な高まりを受け、世界の主要国債利回りは木曜日、数週間ぶりの高水準に高止まりした。原油価格の急騰がインフレ懸念を再燃させ、債券市場で売りが優勢となっている。
地政学リスクが債券市場を直撃
トランプ米大統領がイランとの暫定和平合意の「終了」を宣言し、重要な輸送路であるホルムズ海峡の管理を維持するための空爆が続いたことで、市場の雰囲気は一変した。これにより、欧州中央銀行(ECB)当局者の発言などを受けてインフレ鎮静化への期待から続いていた債券市場の平穏は打ち破られた。
水曜日に公表された米連邦準備制度理事会(FRB)の6月会合議事要旨では、将来の利上げの必要性を巡り政策担当者の意見が市場の想定以上に分かれていたことが示され、当初は債券市場に一時的な安堵感をもたらしたが、中東情勢のニュースがこれを完全に打ち消した形だ。
主要国債利回りの動向
地政学リスクの高まりは、主要国の債券利回りを押し上げている(債券価格と利回りは逆相関の関係にある)。
Ad- 米国債: 金融政策の期待に敏感な2年物米国債利回りは4.2%近辺で推移し、水曜日に付けた約1ヶ月ぶりの高値4.235%に迫っている。世界の借入コストの基準となる10年物米国債利回りは4.58%前後で堅調に推移し、5月21日以来の高水準となる4.60%をうかがう展開となっている。
- ユーロ圏国債: ユーロ圏の指標であるドイツ10年物国債利回りは3.06%近辺と、5月下旬以来の高水準を維持。ドイツ2年物国債利回りも2.66%と、約1ヶ月ぶりの高値圏で推移している。
原油高がインフレ懸念を増幅
今回の利回り急騰の背景には、原油価格の高騰がある。世界の石油消費量の約5分の1が通過するホルムズ海峡での供給途絶リスクが意識され、原油価格が垂直的に上昇した。
エネルギー価格の上昇は、コストプッシュ型のインフレを誘発する。これは債券の固定金利の購買力を低下させるため、投資家はインフレリスクを価格に織り込む動きを強めている。このインフレ圧力への警戒感が、短期から長期の債券全体にわたる売りを誘い、利回りを押し上げる主要因となっている。