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Figma株価分析:IPO後の低迷、堅調なファンダメンタルズと評価の乖離

デザインソフトウェア大手Figma(FIG)の株価は、2025年の新規株式公開(IPO)後の大幅な下落から回復の兆しを見せているものの、依然として低迷が続いています。市場では、同社の力強い収益成長や健全なキャッシュフローといった堅調なファンダメンタルズと、将来の成長性やAIによる競争激化への懸念が交錯し、その評価を巡って意見が大きく分かれています。
IPO後の株価低迷と好調な業績
Figmaは2025年8月に公開価格33ドルで上場し、初日には一時142.92ドルまで急騰しました。しかし、その後は急落し、2026年4月下旬には16.60ドルの安値を記録。9月17日時点の株価23.42ドルは底値から回復したものの、年初来では-38.37%と、依然としてIPO後の調整局面にあります。
一方で、同社の事業ファンダメンタルズは力強さを見せています。Investing.comのデータによると、売上高は過去2年間で約2倍に増加(5億500万ドル→10億6000万ドル)し、直近12ヶ月(LTM)の成長率は+43.4%に達します。また、フリーキャッシュフロー(FCF)は直近12ヶ月で+2億3230万ドルの黒字を確保しており、赤字を垂れ流す他のグロース株とは一線を画しています。
会計基準(GAAP)ベースでは、IPO関連の株式報酬費用が主因となり、2025年には12億5000万ドルの純損失を計上しています。しかし、これは現金支出を伴わない費用であり、FCFが黒字である点が事業の健全性を示唆しています。
評価を巡る市場の攻防
現在のFigmaの評価を考える上で最も注目されるのが、2022年にアドビが提示した200億ドルの買収提案です。この買収は規制当局の反対により2023年末に破談となりましたが、現在のFigmaの企業価値(EV)は109.2億ドルと、当時を約45%も下回る水準にあります。その間に売上高は4億ドル規模から10億ドル超へと大幅に成長しており、現在のバリュエーションに割安感があるとの見方が強気派の根拠となっています。
Adしかし、市場心理は必ずしも楽観的ではありません。2026年第2四半期決算では、1株当たり利益(EPS)が市場予想を100%上回る好結果だったにもかかわらず、発表後に株価は11.62%下落しました。良好なニュースが売り材料となるこの展開は、投資家の間に根強い不確実性が存在することを示唆しています。
強気・弱気材料と今後の見通し
Figmaの現状は、強気・弱気双方の材料が混在しています。
- 強気材料: 43%を超える高い収益成長率、2億ドル超の潤沢なフリーキャッシュフロー、アドビの旧買収提示額を大幅に下回る企業価値などが挙げられます。
- 弱気材料: GAAPベースでの大幅な赤字、AIネイティブな競合の台頭によるリスク、利益率の低下傾向、そして好決算にも売りで反応するネガティブな市場センチメントが懸念されています。
アナリストの評価も割れており、一部のモデルでは現状の株価がやや割高とされる一方、アナリスト全体のコンセンサス目標株価は30%以上の上昇余地を示唆しています。次回の決算発表は11月11日に予定されており、市場の不確実性を払拭できるかどうかの重要な試金石となるでしょう。