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欧州天然ガス価格が続伸、貯蔵率が8月として過去最低に

Summary
欧州の天然ガス価格が続伸し、数週間ぶりの高値を更新した。貯蔵率が8月として過去最低水準に落ち込み、地政学的リスクによる供給懸念が強まる中、冬場のエネルギー安全保障に対する不安が市場で高まっている。
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Background
欧州の天然ガス価格は続伸し、前日に記録した数週間ぶりの高値圏で推移している。天然ガス貯蔵量が8月として過去最低水準にあることに加え、ペルシャ湾での輸送障害が続いており、冬の暖房シーズンを前にエネルギー供給の安定性に対する懸念が強まっている。
記録的低水準のガス貯蔵
欧州の天然ガス価格の指標であるオランダTTF先物(期近物)は3.3%上昇し、1メガワット時(MWh)あたり60ユーロに達した。これは7月下旬以来の高値水準となる。同様に、英国の卸売価格も1%上昇し、1サームあたり149.24ペンスで取引された。
この価格上昇の背景には、深刻な在庫不足がある。ガス・インフラストラクチャー・ヨーロッパ(GIE)のデータによると、EUの天然ガス貯蔵施設の現在の充填率はわずか59.12%で、この時期としては過去最低を記録した。これにより、冬の需要期までに貯蔵目標を達成できるか市場の疑念が深まっている。
供給を圧迫する複合的要因
夏季の在庫補充が遅れている主な要因は、地政学的な供給網のボトルネックと異常気象の二つである。
Ad- 地政学リスク: イランとその代理勢力が関与する中東での紛争がホルムズ海峡の商業航行を妨害しており、主要な供給国であるカタールからの液化天然ガス(LNG)の欧州への到着に深刻な遅れが生じている。
- 猛暑による需要増: 南欧および中欧を襲っている熱波により、冷房用の電力需要が急増。電力会社は発電のため天然ガスの消費を増やしており、本来は貯蔵に回されるはずのガスが消費されている。
市場構造が在庫補充を阻害
現在の市場は、期近の契約価格が期先の価格を上回る「バックワーデーション(逆鞘)」と呼ばれる状態にある。この価格構造は、電力会社などが高価な現物(スポット)のガスを購入して貯蔵するインセンティブを削ぐため、在庫の回復をさらに困難にしている。
低い在庫水準、地政学的な供給不安、そして不利な市場構造という複合的な要因が、冬を前に欧州の天然ガス市場の逼迫感と価格の不安定さを高める可能性を示唆している。