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ABB株が下落、好決算も過去最大55億ドルの企業買収に懸念

Summary
スイス・スウェーデンの産業技術大手ABBの株価が下落。第2四半期の好決算を発表したものの、同時に公表された過去最大規模となる55億ドルの企業買収が市場の警戒感を誘った。
スイス・スウェーデンの産業技術大手ABBの株価は16日の取引で下落した。市場予想を上回る好調な第2四半期決算を発表したにもかかわらず、同時に過去最大規模となる企業買収計画を公表したことが、投資家の間で統合リスクへの懸念を呼び起こした。
好決算を上回る買収への警戒感
ABBが発表した第2四半期決算は、市場の予想を上回る力強い内容だった。主要な業績指標は以下の通り。
- 営業EBITA: 前年同期比20%増の19億3000万ドル
- 売上高: 同14%増の94億8000万ドル
- 受注高: 比較可能ベースで同28%増の120億ドルと過去最高を記録
しかし、この好業績は、同社が発表した英国の流量制御専門メーカー、ロトルク(Rotork)の買収計画の影に隠れる形となった。買収総額は55億ドル(約8,500億円)に上り、全額現金で支払われる予定。これはABBにとって過去最大のM&A案件となる。
過去最大のM&Aと市場の反応
Adモルテン・ヴィエロッドCEOは、ロトルク買収について「フィールドデバイス層における当社のオートメーション製品を拡大するもの」であり、戦略的な親和性は高いと説明した。しかし市場は、これほど大規模な案件の実行リスクと、統合に伴う資本的負担を懸念。株価は一時4.1%下落し、947.6スウェーデンクローナで取引された。
この反応は、大型買収を発表した企業の株価が一時的に下落する典型的な「アクイジション・ディスカウント」の動きと見られる。ABBの株価は直近で52週高値(1,058.5クローナ)圏で推移しており、利益確定売りが出やすい状況だったことも下落に拍車をかけたとみられる。
財務への影響と今後の見通し
ABBは、買収資金について、既存の現金(約58億ドル)と、ソフトバンクへのロボティクス事業売却によって得られる見込みの純手取額(約48億ドル)で主に賄うとしている。同社は、この買収が営業EBITAマージンに即時貢献し、統合後2年目には1株当たり利益(EPS)の増加にも寄与するとの見通しを示した。
アナリストからは肯定的な見方も出ており、ノルデア銀行はABBの目標株価を1,060クローナから1,100クローナへ引き上げ、「買い」推奨を維持した。しかし、当日は欧州株式市場全体が軟調に推移しており、世界的なリスク回避姿勢がABB株への売り圧力を強める一因となった。