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米陸軍、マイクロリアクター建設計画で5社に最大22億ドルを授与

Summary
米陸軍は、軍事基地に小型原子炉を建設・運営するため、5社に対し最大22億ドルの契約を授与したと発表した。この計画は、遠隔地の施設への電力供給を安定させ、将来の商業化を目指すものである。
米陸軍は26日、軍事基地における超小型原子炉(マイクロリアクター)の建設・運営のため、5つの企業に対し最大で22億ドル(約3,200億円)規模の契約を授与したことを明らかにした。ロイター通信が報じたもので、この動きは遠隔地にある軍事施設のエネルギー安全保障を強化する狙いがある。
「Janus」計画の概要
「Janus」と名付けられたこの計画は、工場で製造され輸送が容易なマイクロリアクターを軍事基地に配備することを目的としている。これらの原子炉は、1基あたり最大20メガワットの電力を生成可能で、アラスカや離島といった遠隔地の施設への安定した電力供給源となることが期待されている。陸軍は最初の原子炉を2028年9月までに稼働させることを目標としている。
契約を授与された企業と担当基地は以下の通り。
- Antares Nuclear Inc: ノースカロライナ州フォートブラッグ
- BWXT Advanced Technologies LLC: ケンタッキー州フォートキャンベル
- General Atomics Electromagnetic Systems: テキサス州フォートフッド
- Radiant Industries Inc: ジョージア州フォートベニング
- Westinghouse Government Services: ニューヨーク州フォートドラム
商業化への期待とコスト面の課題
Ad陸軍の担当者であるジェフ・ワクスマン氏は、この計画の最終的な目標は「商用製品」を生み出すことにあると述べている。選定された企業の一つであるRadiant社のマイク・スタレット最高商務責任者(CCO)は、今回の契約が2030年頃までにデータセンターなどの商業顧客の需要に応えるための事業拡大の鍵となるとの見解を示した。
一方で、マイクロリアクターは従来の原子炉に比べてコストが高いとの批判もある。ワクスマン氏もコストが当初は割高になることを認めつつ、「Janus計画を通じて、いかに価格を下げられるかを具体的に探っていく」と語った。現在、軍が北極圏の施設で支払う電力コストは1キロワット時あたり約40セントに上るが、Radiant社は送電費用が不要なため、供給コストを20~30セントに抑えられると試算している。
規制と今後の展望
これらのマイクロリアクターは、商業用原子炉を監督する米国原子力規制委員会(NRC)ではなく、陸軍の管轄下に置かれる。ただし、商業炉に適用される全ての環境・安全規則を遵守する必要があるという。陸軍は、この計画が民間からの更なる資金調達を促す呼び水となることも期待している。
この取り組みは、軍事施設のエネルギー自給率を高めると同時に、先進的な原子力技術の商業市場を育成するという二重の目的を持っている。今後のコスト削減と技術開発の進展が、市場拡大の鍵を握ることになりそうだ。