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英政府、アップルへのデータアクセス要求で情報非開示を堅持 - 法廷で「茶番」と批判

英国政府が米アップルに対し、暗号化された顧客データへのアクセスを可能にするよう求めた命令の存在について、公式に認めも否定もしない姿勢を貫いていることが、ロンドンの調査権限審判所(IPT)で「茶番」だと厳しく批判された。人権団体の代理人弁護士が木曜日の審理で述べたもので、テクノロジー企業のデータプライバシーと国家安全保障の間の緊張が改めて浮き彫りになった。
技術的能力通知を巡る対立
この問題は、英国政府が昨年1月に発行した技術的能力通知(TCN)に端を発する。ロイター通信によると、この通知は、暗号化されたクラウド上のバックアップデータにアクセスするための「バックドア」を設けるよう求めるものだった。当初は米国と英国の市民が対象だったが、米政権との交渉の末に撤回された。しかし、今年7月に英国内の顧客のみを対象とする2度目の通知が発行されたと報じられている。
アップルはこの通知に対し、専門裁判所であるIPTに異議を申し立てている。また、プライバシー・インターナショナルやリバティといった人権団体も、この命令が人権を侵害し、全ての利用者のセキュリティを弱体化させるとして、同様に法的措置を講じている。
「肯定も否定もしない」方針への批判
審理の焦点は、政府が国家安全保障を理由に個別のTCNの存在を認めも否定もしない「NCND(neither confirm nor deny)」方針の是非だ。人権団体の代理人であるベン・ジャフィー弁護士は、米国の政治家や匿名の英政府関係者がすでに通知の存在に言及していると指摘。「馬はとっくに逃げ出してしまった」と述べ、政府の立場は「茶番と化した」と主張した。
Adアップルの弁護士もこの意見に同調し、NCND方針は公開された司法の原則を侵害し、問題に関する有意義な公的議論を妨げていると批判した。一方、政府側のニール・シェルドン弁護士は、この方針からの逸脱は「敵対勢力に重要な情報を提供する」ことになり、国家安全保障上のリスクをもたらすと反論した。
市場と利用者への影響
この法廷闘争は、アップルの事業とブランドイメージに直接的な影響を及ぼしている。同社は、一つの政府のためにバックドアを設ければ、ハッカーや敵対国家に悪用される脆弱性が生まれ、全ユーザーのセキュリティが損なわれると一貫して主張してきた。
実際にアップルは、英国の要求を受けて昨年2月、iPhoneやMacなどのデバイスでエンドツーエンドの暗号化をクラウドバックアップにまで拡大する「高度なデータ保護」機能の英国内での提供を撤回している。IPTはまずNCND方針の妥当性について後日判断を下す予定で、本案に関する本格的な審理は来年以降になる見通しだ。