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ベセント米財務長官、G20で外交手腕の試金石へ 関税・イラン・国債問題が山積

スコット・ベセント米財務長官は今週、ノースカロライナ州アッシュビルで開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席する。長官は世界的な貿易不均衡の是正や対イラン制裁の強化を各国に迫る一方、米国の関税政策や急騰する国債利回りに対する国際的な懸念への対応を迫られ、その経済外交手腕が大きな試金石となる。
G20における米国の主要議題
トランプ政権は、米国主導でG20の議題を再設定することを目指している。財務省高官によると、今回の会議では、不公正な競争を生む「歪んだ政府の経済政策」に起因する世界的な貿易不均衡の是正が主要な議題になるという。
またベセント長官は、イランとの取引を続ける国に対し二次制裁を課す可能性を警告しており、対イラン包囲網の強化を強く求めるとみられる。これは、近年のG20で議題となった気候変動(南アフリカ主催)や富裕層への課税(ブラジル主催)といったテーマから、米国の優先事項へと焦点を戻す狙いがある。
各国の懸念と対立点
しかし、米国の強硬な姿勢は各国の反発を招く可能性がある。アトランティック・カウンシルのジョシュ・リプスキー氏は「ベセント長官はイラン問題を最優先したいだろうが、G20の多くの国は他のこと、特に関税について話したがるだろう」と指摘する。
Ad欧州当局者は、中国からの電気自動車(EV)や半導体などの輸出急増に強い懸念を抱いている。ロイター通信によると、中国の7月の総輸出額は前年同月比で23.9%増加した。一方で、イランを巡る紛争によるホルムズ海峡の閉鎖はエネルギー価格を高騰させ、多くのG20参加国の経済成長の重荷となっている。
米国債市場の混乱と財務省の対応
米国内の経済問題もG20での議論の的となりそうだ。米国の公的債務総額は8月19日に40兆ドルの大台を突破し、市場では将来の債務軌道に対する懸念が強まっている。今月には30年物国債の利回りが19年ぶりの高水準に達した。
これに対しベセント長官は、長期国債の買い入れオペを倍増させるという市場介入を発表し、市場を驚かせた。財務省高官は長期金利が「公正価値と考えられる水準を上回った」と述べ、金利を押し下げる姿勢を示したが、こうした介入主義的な動きは他国の中央銀行から懸念を招いている。元財務省高官でOMFIFのマーク・ソーベル米国議長は、G20参加国は「耳障りの良い言葉では納得しないだろう」と述べ、米国の外交努力が難航する可能性を示唆した。