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テンセント、AIオフィス基盤「WorkBuddy」を開放 エコシステム構築も収益分配が課題に

中国IT大手のテンセントは、AIオフィスツール「WorkBuddy」のオープンプラットフォームを正式に発表した。Insta360(影石)やiFlytek(科大訊飛)など100社を超えるパートナーが参画し、AI時代の「Android」のようなエコシステム構築を目指すが、収益分配モデルの具体策はまだ示されていない。
AIオフィスエコシステム構築へ
テンセントはWorkBuddyのオープンプラットフォームを通じて、インテリジェントハードウェアや業界向けアプリケーション開発者に対し、基盤となるAIエージェント機能を開放した。初期パートナーとして、スマートグラスのRokid(乐奇)、カメラのInsta360(影石)、音声認識技術のiFlytek(科大訊飛)など、100社以上が参加している。
この構想の狙いは、メガネ型デバイスやマイクといったハードウェアを、ユーザーがいつでもAIタスクを起動できる「入り口」とすることにある。ハードウェアが音声や映像を収集し、WorkBuddyがその指示を理解してタスクを実行するという役割分担を想定している。
収益モデルの不透明さが課題
エコシステム構築の第一歩は踏み出されたものの、最大の課題はビジネスモデルの不透明さだ。APIの呼び出しコストやサブスクリプション収益をパートナー間でどのように分配するかについて、現時点では明確な基準が確立されていない。
Adハードウェアメーカー側は、デバイスの販売で利益を得るモデルを想定しており、WorkBuddyの利用料から分配を受けることは想定していないとの見方もある。一方で、SaaSを提供するソフトウェアパートナーは、収益分配を議論するのは時期尚早であり、まずは市場教育とユーザー獲得が優先されるべきだと考えている。テンセント側は、パートナーへの価値還元を優先事項としてツールを開発中としているが、具体的な計画はまだない。
激化するAIオフィス市場の競争
WorkBuddyのプラットフォーム開放は、中国国内でAIオフィスツールの競争が激化する中で行われた。競合他社も同様の動きを加速させている。
- バイトダンス(字節跳動): オフィススイート「飛書(Feishu)」のチームをAIチャットボット「豆包(Doubao)」に統合し、「豆包工作」を発表。
- アリババ(阿里巴巴): 複数のツールを統合し、「千問弁公(Qianwen Office)」を公開。
- バイドゥ(百度): 社内向けAIエージェントを「百度搭子(Baidu Dazi)」に統合。
調査会社Analysys(易観)によると、6月時点でのWorkBuddyのPC版アクセス数は約2097万回に達し、中国国内で首位に立っている。テンセントはハードウェアとの連携で入り口を固める戦略だが、エコシステムの持続的な成功は、参加する全パートナーが利益を得られる仕組みを構築できるかにかかっている。