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S&P、AMCエンターテインメントを格上げ 好調な興行収入を評価

Summary
S&Pグローバル・レーティングは、好調な興行収入と業績改善を理由に、AMCエンターテインメントの格付けを「B-」に引き上げた。2027年からの持続的なフリーキャッシュフロー黒字化を見込んでいる。
S&Pグローバル・レーティングは、映画興行収入の好調を背景とした業績改善と、持続的なフリーキャッシュフロー黒字化への道筋が立ったことを評価し、AMCエンターテインメント・ホールディングス(NYSE: AMC)の発行体格付けを「CCC+」から「B-」に引き上げた。格付け見通しは「安定的」としている。
格上げの背景
今回の格上げは、AMCの事業パフォーマンス改善が主な要因である。S&Pは、2026年の米国内興行収入が当初予想の93億ドルを上回り、100億ドルに迫るとの見通しを示した。これは「トイ・ストーリー5」や「ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー」などの大ヒット作が貢献したもので、2025年の86億ドルからも大幅な増加となる。
この市場環境を追い風に、AMCは2026年第2四半期に過去最高の売上高とEBITDAを記録した。売上高は前年同期比で14.2%増、調整後EBITDAは同約37%増と大幅に伸長した。
今回の格上げに伴い、個別の債券格付けも以下のように引き上げられた。
- 第一順位担保付タームローン: 「B」から「B+」へ
- Muvico LLCおよびAMCの7.5%担保付社債: 「CCC+」から「B-」へ
- Odeonの第一順位担保付タームローン: 「B-」から「B」へ
- 1億1200万ドルの交換可能債: 「CCC-」から「CCC」へ
財務改善と今後の見通し
AdAMCは財務体質の改善も進めている。株式発行による調達資金で1億2500万ドルの劣後債を償還したほか、1億5600万ドル相当の交換可能債が株式に転換された。債務削減とEBITDAの改善により、同社負債の約75%で金利が低下し、年間約5100万ドルの利払い負担が軽減される見込みだ。
S&Pは、AMCの売上高が2026年に約13%、2027年には4〜5%増加すると予測している。フリーキャッシュフローについては、2026年は若干の赤字となるものの、2027年からは持続的な黒字化を達成すると見込んでいる。
残存する課題
一方で、AMCは依然として大きな財務負担を抱えている。総負債は約38億ドルに上り、年間の支払利息は4億5000万ドル超、賃料は8億5000万ドルに達する。
第2四半期末時点の現金保有額は7億7800万ドル。直近で満期を迎える主要な債務は2029年までなく、短期的な流動性リスクは限定的とみられる。