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銀価格、イラン情勢緊迫化で下落 鉱山株は連れ安

Summary
米国とイランの対立激化によるインフレ懸念と利上げ観測の高まりを受け、銀スポット価格が急落。ヒーラ・マイニングなど主要な銀鉱山会社の株価も、収益圧迫への懸念から大幅に下落した。
米国とイランの軍事的緊張の高まりがインフレ懸念を再燃させ、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ観測を強めたことから、16日の市場で銀スポット価格が急落した。これを受け、ヒーラ・マイニング(NYSE: HL)やコー・マイニング(NYSE: CDE)などの主要な銀鉱山会社の株価も軒並み下落した。
地政学リスクが貴金属市場を圧迫
Investing.comの分析によると、米国によるイラン沿岸防衛施設への攻撃と海上封鎖の再開が原油価格を押し上げ、インフレ期待を刺激している。これにより、金利を生まない資産である銀の保有コストが増加するとの見方が広がり、売りが優勢となった。
- 銀スポット価格は1.7%下落し、1オンスあたり56.82ドルとなった。
- CME FedWatchツールによると、市場が織り込む9月のFRBによる利上げ確率は約51%に上昇している。
Tradu.comのシニア市場アナリスト、ニコ・ツァブラス氏は「金(および銀)は引き続きインフレと地政学に左右される。ホルムズ海峡での混乱は原油価格を支え、インフレリスクを持続させる」と指摘した。
銀鉱山株への二重の打撃
Ad銀価格の下落は、鉱山会社の収益性を直接圧迫する。銀価格下落による収入減と、比較的固定された操業コストとの間で利益率が縮小するため、鉱山会社の株価は銀価格以上に下落する傾向がある(オペレーティング・レバレッジ効果)。
木曜日の取引では、ヒーラ・マイニングが5.47%、コー・マイニングが6.57%、シルバーコープ・メタルズ(NYSE: SVM)が5.34%それぞれ下落した。特にコー・マイニングの総維持コスト(AISC)が1オンスあたり15ドルから16.25ドルの範囲にあることを考えると、現在の価格水準への下落は利益率を著しく圧迫する。また、スコシアバンクはヒーラ・マイニングの目標株価を25ドルから21ドルへ引き下げ、銀価格からの継続的な圧力を理由に挙げた。
市場の背景と今後の展望
今回の下落は、銀にとって厳しい局面の継続を意味する。銀価格は2026年1月の史上最高値である121.62ドルから約52%下落している。また、金価格に対する銀価格の比率を示す金銀比価(ゴールド・シルバー・レシオ)はgoldsilver.comによると約69:1まで上昇しており、これは歴史的に銀が金に対して大きくアンダーパフォームしていることを示唆する水準だ。
市場の次の注目点は、本日予定されているダラス連銀のローリー・ローガン総裁とFRBのフィリップ・ジェファーソン副議長による講演だ。両氏の発言内容が9月の利上げに関する市場の織り込みを変化させれば、金利に敏感な貴金属市場にさらなる影響を与える可能性がある。タカ派的なトーンが示されれば売りが加速する一方、ハト派的なシグナルが発せられれば、銀および銀鉱山株にとって一時の安堵材料となるかもしれない。