Story
OpenAI、低価格モデルで法人事業の成長を狙う

米OpenAIは、法人向け人工知能(AI)事業の成長を加速させるため、モデルの価格を引き下げるとともに、特定産業への特化を進める方針だ。同社のサラ・フライヤー最高財務責任者(CFO)が月曜日、サンフランシスコで開催されたゴールドマン・サックス主催のカンファレンスで明らかにした。
企業向け戦略の転換
フライヤーCFOによると、企業は汎用的なシステムよりも、特定の業務に特化したAIツールを求める傾向が強まっているという。これを受け、OpenAIは半導体設計、ライフサイエンス、金融サービスといった専門分野をターゲットに定めている。
また、AI投資に対する明確なリターンを求める企業の声に応え、従来の利用量に基づく課金体系から、成果に基づいた価格モデルへの移行を試みていることも明らかにした。この戦略は、AI支出の費用対効果を厳しく評価する法人顧客の動向を反映したものだ。
競争激化と価格戦略
AI市場では、中国製のオープンソースモデルや、Anthropicなどの競合他社との競争が激化している。特にオープンソースモデルは、OpenAIのような最先端モデルと比較して低コストな選択肢と見なされてきた。
Adこの状況に対応するため、OpenAIは廉価版モデル「Luna」の価格を80%引き下げた。フライヤーCFOによれば、この価格改定により利用量は約10倍に増加したという。同氏は「Lunaをクラウド上で利用する場合、例えばZ.aiのGLM 5.3のような中国製モデルを導入するよりもコスト効率が高い」と述べ、価格競争力を強調した。
業績への貢献と今後の見通し
この新戦略は、すでに同社の業績に貢献している。フライヤーCFOによると、6月から7月にかけて、法人向け事業の収益は32%増加し、同期間の年率換算収益全体の伸び率20%を上回った。これにより、法人向けと消費者向けの収益バランスは年央にはほぼ均等となり、年末までの目標を前倒しで達成したという。
同社は自社技術の価値を証明する事例として、独自開発の「Jalapeno」チップを挙げた。自社のAIモデルを活用することで、設計から製造委託(テープアウト)までの期間をわずか9ヶ月で完了できたとしている。また、プログラミング支援ツール「Codex」のユーザー数は2500万人に達したことも明らかにされた。