Story
EV普及を後押しする3つの経済的要因、ウッドマッケンジーが指摘

Summary
エネルギー調査会社ウッドマッケンジーの最新レポートによると、石油供給ショック、燃料価格の高騰、技術革新という3つの経済的要因が、世界の電気自動車(EV)生産を加速させる可能性がある。
エネルギー調査会社ウッドマッケンジーが木曜日に発表したレポートによると、3つの新たな経済的要因が世界の電気自動車(EV)生産を押し上げ、石油、電力、金属市場に大きな影響を与える可能性があると分析した。
EVシフトを加速させる3つの要因
レポートが指摘する3つの要因は、地政学的リスク、消費者行動、技術革新である。
- 石油供給ショック: ロシアやイランといった主要産油国での紛争による供給不安が、各国政府にEVサプライチェーンへの投資加速を促している。
- 燃料価格の高騰: ガソリンなどの燃料価格が高い水準で推移することで、消費者のEVへの乗り換え意欲が高まっている。
- 技術革新: 特に中国は、5分での急速充電技術や、ナトリウムイオン電池、リン酸鉄リチウムイオン電池(LFP)などの分野で急速な進歩を遂げている。レポートは、欧米諸国も政府支援を通じて技術革新を促進する必要があると言及している。
市場への影響と各地域の見通し
EVの普及はエネルギー市場の構造を大きく変える可能性がある。ウッドマッケンジーは、世界の石油需要が現在の水準である日量1億バレル超から、2040年には日量9900万バレルまで減少する可能性があると予測している。
Ad一方で、EVの普及ペースは地域によって大きく異なるとみられる。石油の輸入依存度が高い欧州では、EVの市場シェアが2025年の3%から2040年には35%に上昇すると予測。対照的に、豊富な石油資源を持つ米国では、同期間のシェア上昇が現在の3%から20%にとどまると見込んでいる。
レポートの著者の一人であるデビッド・ブラウン氏はロイターに対し、「米国はこのままでは海外からのEV輸入との競争力を維持できない。輸送の電化を真剣に受け止め、新たなEVサプライチェーンや製造能力に資金を投じる必要がある」と述べた。
サプライチェーンとインフラの課題
EV生産の拡大には、資源供給とインフラ整備が大きな課題となる。レポートによれば、世界の鉱物供給量は2040年までにEVが50%成長することを支えうるが、問題は供給のスピードである。
今後10年間で金属分野にさらに450億ドルの投資が必要であり、特に銅が重大なボトルネックになると指摘されている。また、電力需要の増加に対応するため、電力供給が豊富な時間帯にEVの充電をシフトさせる「マネージド充電」の拡大が、電力網と規制当局に求められるとしている。