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ノバルティス、新薬治験が相次ぎ失敗 株価急落でパイプラインに懸念

スイスの製薬大手ノバルティスは火曜日、開発中の筋消耗性疾患治療薬が後期臨床試験で目標を達成できなかったと発表した。数日内に2件目の主要な開発失敗となり、同社の株価は過去最大級の下げ幅となる約9%の急落を記録した。
相次ぐ治験失敗と市場への影響
今回失敗が報告されたのは、筋強直性ジストロフィー治療薬として期待されていた「del-desiran」の第III相臨床試験です。ノバルティスによると、本試験ではプラセボ(偽薬)と比較して、主要評価項目で統計学的に有意な改善を示すことができませんでした。この発表は、前日にコレステロール治療薬の臨床試験失敗が報じられた直後のことでした。
このニュースを受け、ノバルティスの株価は一時10%以上下落し、時価総額が約240億スイスフラン(約296億ドル)失われました。この影響は同社にとどまらず、筋ジストロフィー治療薬を開発する他のバイオテクノロジー企業の株価にも波及し、米市場の取引開始前にはDyne Therapeutics社が30%、Sarepta Therapeutics社が15.5%それぞれ下落しました。
パイプラインとM&A戦略への懸念
一連の失敗は、バス・ナラシンハンCEOが主導するM&A(合併・買収)戦略と、将来の成長を担う製品パイプラインに対する投資家の信頼を揺るがしています。「del-desiran」は、ノバルティスが最近120億ドルを投じて買収したAvidity社を通じて獲得した薬剤であり、アナリストからは成功が強く期待されていました。
Adバークレイズのアナリストは以前、「del-desiran」の年間最大売上高を31億ドルと予測していました。今回の失敗は、2030年代初頭にかけて主力製品「エンレスト」などの特許切れ(パテントクリフ)に直面する同社にとって、大きな打撃となります。投資家が期待していた主要な3つの新薬候補のうち2つが頓挫したことで、残る抗炎症薬「remibrutinib」への期待と重圧がさらに高まることになります。
経営陣への圧力と今後の見通し
ナラシンハンCEOは、ジェネリック医薬品事業やコンシューマーヘルスケア事業をスピンオフ(分離・独立)させ、革新的な医薬品パイプラインの再構築に注力してきました。しかし、今回の挫折は同CEOの戦略への圧力を強めるものです。
こうした状況にもかかわらず、ノバルティスは通期の業績見通しを据え置き、2025年から2030年にかけて年平均5%から6%の売上成長を見込むとの長期予測を維持しました。同社の開発責任者は、難病治療薬の開発には困難が伴い、後退は科学的進歩の一部であるとの見解を示しています。