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「手遅れになる前にAI規制を」ノーベル賞受賞者マリア・レッサ氏が警告

Summary
ノーベル平和賞受賞者のマリア・レッサ氏は、AIが人間の代理性(エージェンシー)を奪う前に、今すぐ法規制を導入すべきだと警告した。同氏はAI規制を「公共の安全」の問題だと位置づけ、テック大手への説明責任を求めている。
ノーベル平和賞受賞者でジャーナリストのマリア・レッサ氏は、人工知能(AI)が人間の代理性(エージェンシー)を奪うのを防ぐため、直ちに法規制を導入しなければならないと警鐘を鳴らした。ロイター通信とのインタビューで、AI規制は「公共の安全」に関わる問題であり、手遅れになる前に行動を起こす必要があると強調した。
AI規制は「公共の安全」の問題
2021年にノーベル平和賞を受賞し、国連のAIに関する国際科学パネルの共同議長も務めるレッサ氏は、AIがソーシャルメディアを通じて人々の注意を乗っ取り、親密さへの欲求を操作することで生物学的な側面までハッキングしていると指摘する。
同氏は、AI規制の要求を「言論の自由の問題」ではなく「公共の安全の問題」だと断言。「今、私たちが介入しなければ、事態は制御不能になる転換点を迎えるだろう」と述べ、市民が政治家に圧力をかけ、規制を求めるキャンペーンを行う必要性を訴えた。
AIがもたらす「3つの波」
レッサ氏は、AIが社会に与えてきた影響を3つの波として説明している。この枠組みは、AI技術が人間の意思決定や社会構造にどのように浸透してきたかを理解する上で重要となる。
Ad- 第1の波: ソーシャルメディアプラットフォームが人々の注意を引きつけ、社会を分極化させ、個人を孤立させた。
- 第2の波: チャットボットなどが親密さを装うことで、人間の生物学的な側面をハッキングした。
- 第3の波: 最新のフロンティアモデルが、人間のふりをするだけでなく、人間に代わって行動する「代理AI」として登場し、人間の代理性そのものを脅かしている。
求められる説明責任と新たなプラットフォーム
レッサ氏は、AI規制が中国との技術競争で不利になるとの主張を一蹴した。むしろ「中国は自国民に対して、シリコンバレーが世界の他の地域に対して行うよりも多くの保護措置を講じている」と指摘し、TikTokの中国版における年齢制限を例に挙げた。
対策の第一歩として、同氏はテック企業に「彼らがもたらした損害に対する責任」を負わせるべきだと主張。Meta Platforms社が10年間で最大180億ドルを支払うことになった米国の訴訟などを歓迎する姿勢を示した。こうした規制強化や説明責任の追及は、大手テック企業のビジネスモデルに直接的な影響を及ぼす可能性があり、投資家にとって注視すべきリスク要因となり得る。