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メモリー半導体株、急落は「一休み」か「崩壊」か―MicronとSK Hynixの行方

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Jul 16, 20261 min read
メモリー半導体株、急落は「一休み」か「崩壊」か―MicronとSK Hynixの行方

Summary

AI需要を追い風に急騰してきたMicronやSK Hynixなどのメモリー半導体株が、ここ1カ月で大幅な調整局面に直面している。短期的な過熱感による利益確定売りと、構造的な需要拡大という長期的な強気シナリオが交錯している。

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AIブームを牽引してきたメモリー半導体株が、急騰後の調整局面に突入している。米Micron Technologyの株価は過去1カ月で17%下落し、米国市場に新規上場した韓国SK HynixのADR(米国預託証券)も取引初週で11.5%安と急落した。

しかし、年間パフォーマンスを見ると様相は一変する。両社の株価は、この急落を経てもなお、過去1年間でMicronが625%、SK Hynixが522%という驚異的な上昇を記録している。短期的な売りシグナルと長期的な強気トレンドが混在しており、市場参加者はこれが一時的な「一休み」なのか、本格的なトレンド転換の始まりなのかを注視している。

テクニカル分析が示す二面性

テクニカル指標は、短期と長期で全く異なる見方を示唆している。日足チャートでは、Micronの株価は移動平均線を下回り、RSI(相対力指数)やMACD(移動平均収束拡散)などの主要指標が軒並み「強い売り」シグナルを発している。これは短期的な利益確定売りが優勢であることを示している。

一方で、週足チャートでは、長期的な上昇トレンドは依然として維持されており、テクニカル指標は「強い買い」を示唆している。この乖離は、現在の株価下落が長期的な上昇サイクルの中での健全な調整であり、トレンドの崩壊ではない可能性を示している。

AIが支える構造的な強気論

アナリストは、メモリー半導体市場の強気な見通しは、四半期ごとの業績ではなく、複数年にわたる構造的な要因に基づいていると指摘する。市場の楽観論を支える主な要因は以下の通りだ。

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  • HBM価格の上昇: AI向けに不可欠な高性能広帯域メモリー(HBM)の需要は逼迫しており、HBM4の価格は2027年までに現在の約2倍に達する可能性があると予測されている。
  • 長期的な供給不足: SK HynixのCEOは、メモリー半導体の供給不足が2030年以降も続く可能性があるとの見解を示している。
  • 需要の多様化: MicronはFordを含む16社との戦略的顧客契約を締結しており、需要がAIデータセンター(ハイパースケーラー)以外にも拡大している。
  • 価格決定力の確保: 2027年までに世界のDRAM生産能力の約半分がAI関連の大口顧客との長期契約で占められ、供給制約が価格決定力を高めると見られている。

警戒すべき弱気材料

ただし、投資家が無視できない懸念材料も存在する。HSBCが先週アジアの投資家30社以上と行ったミーティングでは、以下のリスクが指摘された。

  • 中国企業の台頭: 中国の長鑫存儲技術(CXMT)は静かに世界第4位のDRAMメーカーに成長しており、Appleが中国市場向けデバイスで同社製チップのテストを行っていると報じられている。
  • 設備投資の減速懸念: Metaがクラウドサーバー市場に参入したことは、ハイパースケーラーによる設備投資が減速する兆候との見方もある。
  • 株価上昇後の触媒不足: 株価が600%以上も上昇した後では、さらなる上昇には業績拡大など新たな好材料が必要となる。

現在の株価下落は、AIメモリーのスーパーサイクルという構造的な物語が崩れたというよりは、むしろ急激な価格上昇に対する市場の過熱感を冷ますための調整局面である可能性が高い。しかし、CXMTに代表される中国企業の生産能力が予想を上回るペースで拡大し、欧米のハイパースケーラーがサプライヤーとして認定するような事態になれば、この「一休み」がより深刻な下落につながるリスクもはらんでいる。

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