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イラン、湾岸の米軍拠点を攻撃 報復の応酬で停戦は事実上崩壊

イランは9日、米国の空爆への報復として、クウェート、カタール、バーレーンにある米軍のインフラを攻撃したと発表した。3週間にわたる停戦は事実上崩壊し、中東における軍事的緊張が再び急激に高まっている。
報復の応酬、停戦崩壊
イラン国営メディアによると、イラン軍はクウェートのパトリオットシステム、カタールの早期警戒拠点、バーレーンにある米陸軍の燃料貯蔵庫を攻撃した。また、イラン革命防衛隊は、米軍が使用するヨルダンのアズラク空軍基地に弾道ミサイル10発を発射したと発表している。
これに先立ち、米中央軍は8日、イランによるタンカー攻撃への報復として、防空システムやミサイル貯蔵施設など、イランの軍事目標約90カ所を攻撃したと発表していた。イラン側は米国の攻撃で14人が死亡、78人が負傷したと報じている。米政府高官は直近数時間の攻撃を否定しているが、トランプ米大統領は先の船舶攻撃を受け、停戦は「終わった」と宣言していた。
今回の攻撃激化は、2月28日の空爆で殺害された最高指導者ハメネイ師の埋葬と時期が重なった。数カ月に及ぶ紛争は数千人の死者を出し、世界のエネルギー供給に深刻な影響を与えている。
ホルムズ海峡の緊張高まる
Ad紛争の焦点の一つが、世界の石油供給の要衝であるホルムズ海峡だ。イラン革命防衛隊は、米国の介入が海峡の再開を妨げていると非難。イランの監督下で通航隻数は戦前の約50%まで回復したとし、さらなる米国の介入には「壊滅的な対応」をとると警告した。
一方、米軍はイランが海峡を支配しているとの見方を否定。5月上旬以降、800隻以上の商船と3億8000万バレルの原油の通航を支援したと主張し、海峡の航行の自由を確保するための作戦であったと正当化した。
市場への影響と外交の動き
中東での戦闘再燃の懸念から原油価格は一時急騰したが、その後は反落した。しかし、ホルムズ海峡は紛争前には世界の石油供給量の約5分の1を扱っており、この地域の不安定化はエネルギー市場にとって引き続き大きなリスク要因となる。
こうした状況下で、カタールやトルコ、オマーンの外相はイラン側と個別に電話会談し、さらなる軍事エスカレーションを避ける必要性を強調した。米政府高官の一人は、軍事行動が続く中でも「技術的な協議は継続している」と述べ、対話の窓口が完全に閉ざされたわけではないことを示唆した。