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ECB、利上げは確実視 市場の焦点は今後の政策金利とラガルド総裁の去就へ

欧州中央銀行(ECB)は、今週木曜日に開催する金融政策決定会合で、主要政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き上げる見通しだ。市場ではほぼ確実視されており、これにより預金ファシリティ金利は2.25%から2.50%へと引き上げられることになる。ユーロ圏のインフレ率が目標を大幅に上回り、経済が予想外の底堅さを見せる中、投資家の注目は利上げの有無から、その先の政策金利の道筋へと移行している。
利上げは既定路線、焦点は将来の道筋
アナリスト調査によれば、大半が今回の25bpの利上げを予測している。背景には、先月3%を突破し、約3年ぶりの高水準に達した消費者物価上昇率がある。ECBは6月にも利上げを実施しており、今回の追加利上げはインフレ抑制への強い姿勢を示すものとなる。
しかし、その後の政策については不透明感が強い。市場はさらに2回以上の利上げを織り込んでいるが、エコノミストの見方はより慎重だ。ゴールドマン・サックスのチーフ欧州エコノミスト、ヤリ・ステーン氏は「今週ECBが利上げするのは明らかだ」としながらも、「見通しには大きな不確実性があり、理事会内で意見の相違も見られるため、金利の先行きは不明瞭だ」と指摘する。政策決定はベルリン時間午後2時45分に発表され、その30分後にクリスティーヌ・ラガルド総裁が記者会見に臨む。
理事会内に見解の相違、「中立金利」が分岐点か
今後の利上げペースを巡っては、ECB理事会内で意見が分かれている。G7の中央銀行で最もタカ派的とされるECBだが、内部のコンセンサスは揺らいでいる。
Ad- タカ派: リトアニア中央銀行のゲディミナス・シムクス総裁などは、金利を2.5%に引き上げるだけではインフレを目標の2%に戻すには不十分だと主張している。
- ハト派: 一方、ECB理事のピエロ・チポローネ氏は、経済を損なう過度な金融引き締めを避けるべきだと警告している。
この意見対立の一因は、2.5%という金利水準が、経済活動を抑制も刺激もしない「中立金利」の上限と広く見なされていることにある。この水準を超えると金融政策は景気抑制的になるが、この中立金利の具体的な水準についても見解は一致していない。
経済見通しとラガルド総裁の去就も注目材料
会合で発表される最新の経済見通しも、今後の金融政策を占う上で重要な材料となる。市場では、来年のインフレ見通しが6月時点の2.3%から上方修正されると予想されている。ただし、この見通しは8月時点のデータに基づいているため、最近の債券利回りの急上昇やエネルギー価格の高騰を完全には織り込んでいない可能性がある。
さらに、ラガルド総裁が2027年10月の任期満了を待たずに退任するのではないかとの憶測も市場で高まっている。世界経済フォーラム(WEF)の次期トップへの就任が取り沙汰されているほか、同氏がフランス政界への復帰を否定しなかったことも、不確実性を高める一因となっている。今後の金融政策の舵取りと合わせて、総裁自身の去就も市場の注目を集めている。