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コティ、「グッチ」ライセンス早期終了で4億ドル受領へ 財務再建を優先

Summary
米化粧品大手コティは、主力ブランド「グッチ」の美容製品ライセンスを1年早く終了することでケリングと合意しました。短期的な収益減と引き換えに4億ドルの資金を獲得し、負債削減とポートフォリオの多角化を加速させます。
米化粧品大手コティ(Coty)は、主力であるグッチの美容製品ライセンスを1年早く、2027年半ばに終了することで、グッチの親会社ケリングと合意しました。この契約によりコティは4億ドルを受け取り、短期的な収益への打撃を許容しつつ、かねてからの課題である負債削減を優先する姿勢を明確にしました。
契約の概要と財務への影響
この合意に基づき、コティはケリングからまず2億5000万ドル、2027年10月までに残りの1億5000万ドルを受け取ります。バークレイズのアナリストの試算によると、このライセンス終了により、コティは年間調整後EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)のうち約1億1500万ドル(全体の15%に相当)を失うことになります。
しかし、得られる資金は、現在約29億ドルに上る純負債の削減に充てられます。これにより、格付け機関からの厳しい視線にさらされている同社の財務体質の改善が期待されます。また、関連する人件費やマーケティング費用の削減も見込まれます。
グッチ依存からの脱却と今後の戦略
コティはグッチのライセンスが2028年に満了することを以前から認識しており、それに備えてポートフォリオの多角化を進めてきました。2024年にはスワロフスキー、エトロ、マルニといった新規ブランドと契約を結んでいます。
Adマークス・ストローベル暫定CEOの指揮下、同社はプレステージ・フレグランス事業への注力を強化しています。アナリストは、市場が考えるほどコティのグッチへの依存度は高くなく、BOSSやマーク・ジェイコブスといった他の強力なフレグランス事業が下支えになると見ています。
市場の見方と投資家への意味合い
市場関係者の間では、この決定を「win-win-winの決定」と評価する声も上がっています。主力ブランドを失うことは短期的には痛手ですが、得られた資金を他の成長が見込めるライセンス(マーク・ジェイコブスやカイリー・コスメティクスなど)の育成に振り向けることで、より健全な企業体質を構築できるとの見方です。
ある専門家は、成功するスタジオが単一のヒーローブランドに頼らず、多様な作品群を構築するハリウッドに例え、「コティはシンデレラを失うが、強力なフランチャイズは一人のプリンセスではなく、時代を超えた多くの名前によって築かれる」と指摘しています。今回の戦略的転換は、2024年初頭から株価が80%下落するなど苦戦が続くコティにとって、重要な転換点となる可能性があります。