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ボッシュ、米国初の半導体工場でサンプル生産開始―CHIPS法支援でSiCチップ供給網を強化

ドイツの自動車部品・半導体大手のボッシュは13日、米国初となる半導体工場でサンプル生産を開始したと発表した。米商務省から2.25億ドルの資金援助を受け、電気自動車(EV)に不可欠な炭化ケイ素(SiC)半導体の国内製造能力を強化する。
カリフォルニア工場が稼働開始
ボッシュは2023年にTSIセミコンダクターズから買収したカリフォルニア州ローズビルの半導体工場を改修し、このたびサンプル生産を開始した。同社によると、商務省からの資金を含め、この工場の再編にかかった総費用は20億ドルに上る。本格的な商業生産は年内に開始される予定だ。
この動きは、コロナ禍で露呈した半導体供給網の脆弱性への対応策の一環である。当時、世界的な半導体不足は自動車業界に深刻な影響を及ぼし、アジアと欧州の少数サプライヤーへの過度な依存が浮き彫りになった。
CHIPS法による政府支援と戦略的意義
今回のプロジェクトは、2022年に成立した「CHIPS・科学法」に基づき設立された商務省のCHIPSプログラム室から2.25億ドルの資金提供を受ける。同法は、米国内の半導体製造を拡大し、海外のサプライチェーンへの依存を低減することを目的としている。
Adボッシュ北米法人のポール・トーマス社長兼CEOはロイターに対し、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)や国家安全保障の観点から、国内サプライチェーンの重要性が高まっていることが、米国への投資を拡大した理由の一部であると述べた。同氏は、自動車メーカーが「自社の近隣から安定的に供給を継続できる」企業との協力を求めていると付け加えた。
SiC半導体の重要性と今後の展望
この工場で生産される炭化ケイ素(SiC)半導体は、高電圧の電力を効率的に制御するために使用される。特にEVでは、バッテリーからモーターへの電力供給効率を高め、熱損失を低減することで、航続距離の向上や充電性能の改善に貢献する。
SiC半導体の用途は自動車産業にとどまらず、データセンターや防衛分野にも広がる。ボッシュは、2031年までに最大75億ドルを米国内事業に投資する計画を明らかにしており、今回の工場稼働はその戦略における重要な一歩となる。