Story
バイオヴィー株が急落、新型コロナ後遺症治療薬の臨床試験が主要評価項目を達成せず

バイオテクノロジー企業のバイオヴィー(BIVI)は、開発中の新型コロナウイルス後遺症(ロングコビッド)の神経症状に対する治療薬「bezisterim」の第2相臨床試験(ADDRESS-LC)が、主要評価項目を達成できなかったと発表した。このニュースを受け、同社株は時間外取引で一時9.7%近く急落した。
臨床試験の主要結果
同社によると、203名の患者を対象とした今回の試験では、ITT(Intention-to-Treat)解析対象集団全体において、22項目設定された臨床評価項目のいずれにおいても、プラセボに対する統計的有意な改善を示すことができなかった。この試験は、投資家が注目する短期的な最重要イベントの一つと見なされていた。
一方で、発表されたデータには一部肯定的な側面も見られた。事前に規定されたサブグループ解析では、試験参加者の約78%を占める、ベースラインの症状がより重い患者群において統計的に有意な改善が確認された。また、22項目のうち21項目で、bezisterimがプラセボを上回る数値的な傾向を示したことも明らかにされている。
市場の反応と背景
Ad収益のない臨床開発段階のバイオテクノロジー企業にとって、臨床試験で主要評価項目を達成できないことは、市場では決定的なネガティブ材料と見なされるのが一般的だ。今回の株価の急落は、この力学を反映したものと言える。
さらに、当日の市場環境も投機的な銘柄には逆風となった。連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される中、市場では利上げ観測が広がっている。米10年物国債利回りが最近5%を突破したこともあり、成長株や臨床段階のバイオ株に対するリスク許容度は低下している。このような市場環境が、今回の臨床試験の失敗というニュースの影響を増幅させた形だ。
今後の株価の動向は、同社がカンファレンスコールなどで、サブグループ解析のデータをどう位置づけ、より対象を絞った第3相試験など、信頼性のある今後の開発計画を提示できるかにかかっている。