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ASML、欧州初の時価総額1兆ドル企業になるか?AIブームが株価を押し上げ

世界的な人工知能(AI)ブームが、半導体製造装置で市場を独占するオランダのASMLを欧州株式市場のトップに押し上げている。AI向け半導体の需要急増を受け、同社の時価総額は7000億ドルに迫っており、投資家やアナリストの間で欧州初の1兆ドル企業になる可能性が現実的な議題として浮上している。
AIブームが追い風、1兆ドルも視野に
ASMLの株価は今年に入り60%急騰。好調な第2四半期決算を受け、アナリストの評価も強気に傾いている。ロイター通信によると、バークレイズ、サスケハナ、バーンスタインなどの金融機関は、ASMLの12ヶ月後の目標株価を2,600ドル以上に設定。これは現在の水準から約49%の上昇を意味し、時価総額1兆ドルの大台に相当する。
ASMLは、最先端のロジック半導体やメモリーチップの微細な回路を形成するために不可欠な極端紫外線(EUV)露光装置を世界で唯一供給する企業だ。多くの投資家は、同社をAIという「ゴールドラッシュ」における「つるはしとシャベル」を売る企業と見なしている。Capital Groupのジョン・ラム氏は、同社の「ユニークな資産と広い堀」を評価し、長期保有銘柄としての魅力を強調した。
成長への期待と潜在的リスク
1兆ドルという評価を正当化するには、いくつかの条件が満たされる必要がある。最も重要なのは、GoogleやAmazonといった「ハイパースケーラー」と呼ばれる巨大IT企業によるデータセンターへの旺盛な投資が継続することだ。Alphinity Investment Managementのトレント・マスターズ氏は、この需要が冷え込めば「ASMLの収益に影響が及ぶ」と指摘する。
Ad一方で、AIブームが減速した場合でも成長が期待できる要因もある。Summit Insights Groupのアナリスト、キンガイ・チャン氏によると、SKハイニックスやサムスンなどのメモリーチップメーカーは、旧型のDUV(深紫外線)装置から高価なEUV装置への移行を進めており、これがASMLにとって収益性の高い「アップグレードサイクル」を生み出すという。
ただし、リスクも存在する。米議員が提案している「MATCH法」は、ASMLの中国向け販売やサービスを制限する可能性があり、同社が2026年に売上の20%を見込む中国市場への影響が懸念される。また、サプライチェーン管理や顧客であるTSMCなどとの拡張計画を遂行できるかという実行リスクも課題となる。
投資家の見方と今後の展望
LSEGのデータによると、ASMLの株価は2027年の予想収益の38倍で取引されており、これは主要顧客であるTSMCなどを大きく上回る水準だ。この高い評価を維持しながら成長を続けることが求められる。
Aviva Investorsのアントワーヌ・ユシェール氏は、同社が戦略をうまく実行し、AI需要が持続すれば成長は続くとしながらも、「ここ数週間のAI関連株のボラティリティは、1兆ドルへの道のりが一直線ではないことを示唆している」と述べた。投資家の間では、ASMLが欧州初の1兆ドル企業になる可能性は十分にあるとの見方が広がる一方、地政学リスクや市場の変動性を注視する慎重な姿勢もみられる。