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ウーバー、デリバリーヒーローを148億ドルで買収提案 グローバル展開を加速

Summary
配車サービス大手のウーバーが、ドイツのフードデリバリー大手デリバリーヒーローに対し約148億ドルの公開買付を提案。米国以外の市場、特に欧州やアジアでの支配的地位確立を目指す。
配車サービス大手の米ウーバー・テクノロジーズは2026年7月16日、ドイツのフードデリバリー大手デリバリーヒーローに対し、評価額約148億ドル(約2兆3000億円)となる公式な公開買付を開始しました。この動きは、単なる競合買収にとどまらず、米国以外のグローバルなフードデリバリーおよびクイックコマース市場での支配的地位を確立するための、同社にとって過去最大級の戦略的賭けとなります。
買収提案の背景
ウーバーにとって、この買収はゼロからのスタートではありません。同社はすでにデリバリーヒーローの株式24.99%を保有しており、デリバティブを含めた経済的持分は約36.8%に達していました。これは、全くの第三者に対する敵対的買収とは異なり、既存の少数株主としての立場を完全な所有権へと転換するものであり、リスクが比較的低いアプローチと言えます。
デリバリーヒーローの株価は、この買収が正式に発表される前から年初来で68%上昇しており、ウーバーの当初の非公式な打診価格(1株あたり33ユーロ)を上回る水準で取引されていました。これ以上の交渉の遅れは、さらなるプレミアムの上乗せや競合他社の出現リスクを高める可能性がありました。
成長市場獲得への戦略的狙い
今回の買収には、ウーバーのグローバル戦略を加速させる明確な4つの柱があります。
Ad- 欧州市場での支配力確保: 自社でゼロから事業を立ち上げるよりも、デリバリーヒーローの確立されたネットワークを獲得する方が、断片的で競争の激しい欧州市場において迅速かつ低コストであると判断しました。実際にウーバーは、デリバリーヒーローとの交渉が本格化すると、欧州5カ国での事業拡大計画を一時停止しています。
- 地理的な補完性: デリバリーヒーローは中東、アジア、ラテンアメリカなど70カ国以上で事業を展開しており、これらの多くはUber Eatsがほとんど、あるいは全く展開していない地域です。これは既存市場でのシェア争いではなく、未開拓地域への飛躍的な進出を意味します。
- クイックコマース事業の拡大: デリバリーヒーロー傘下のFoodpandaやTalabatは、世界的に急成長している食料品や日用品の超高速配達分野で主導的な地位を築いています。これをUber Eatsに統合することで、レストラン以外の配達カテゴリーを飛躍的に強化できます。
投資家の懸念とリスク
この大規模な買収にはリスクも伴います。ウーバーの株価は買収報道の初期段階で約2%下落し、市場の懸念を反映しました。ジェフリーズのアナリストは、148億ドルという巨額の資金投入が、自社株買いに充てる現金を減少させ、経営の柔軟性を制約する可能性を指摘しています。
また、デリバリーヒーロー自体が長年にわたり赤字を計上してきた企業であり、70カ国以上にまたがる広大な事業を統合するプロセスは容易ではありません。ドイツ銀行は、デリバリーヒーローの株価はすでに買収への期待感を織り込んでいる可能性があると指摘しており、今後の統合プロセスと収益性の証明がウーバーにとって大きな課題となります。