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原油相場、後半戦の勝率は6割も米中間選挙の年が重荷に

Summary
原油価格は例年、年後半に上昇する傾向があるが、今年は米中間選挙の年にあたり、過去のデータでは平均リターンがマイナスに転じるなど、不透明感が高まっている。地政学リスクと供給過剰懸念が交錯する中、市場の方向性を見極める展開が続く。
原油先物市場は、季節的な需要増への期待と、過去の統計が示す特有の逆風という相反する要因が交錯する中で、2026年後半の取引を開始した。最近のWTI原油先物価格は、地政学リスクを背景に4月下旬に1バレル=126ドル超まで急騰した後、7月上旬には72ドル前後まで下落するなど、ボラティリティの高い展開となっている。
中間選挙の年、原油相場の季節性に影
TradeWaveがまとめた季節性データによると、過去10年間で7月上旬から60日間のWTI原油価格は、10回中6回上昇している。この60%の勝率を記録した期間の平均上昇率は+9.9%に達する。
しかし、2026年は米国の中間選挙の年にあたる点が特筆される。TradeWaveの分析によれば、過去の中間選挙の年において、同じ60日間の勝率は50%に低下し、平均リターンは-1.7%とマイナスに転じている。この歴史的な傾向は、夏の終わりにかけて相場の上値を抑える要因となる可能性を示唆している。
供給過剰懸念と地政学リスクの綱引き
年後半の原油相場の予測が難しいことは、過去の事例が示している。世界金融危機に見舞われた2008年には、ブレント原油が7月に147ドル近くまで高騰した後、需要の崩壊により12月には40ドルを割り込んだ。一方で2007年や2021年は、供給規律と需要回復が相場を押し上げた。
Ad今年の市場は、供給サイドからの圧力が強まっている。米エネルギー情報局(EIA)は7月の短期見通しで、世界の産油量予測を引き上げる一方、ブレント原油の年後半の平均価格予測を下方修正した。みずほでエネルギー先物ディレクターを務めるロバート・ヤウガー氏はロイターに対し、「湾岸産油国が価格競争の準備を進めているように見える」と指摘している。
その一方で、地政学リスクは依然としてくすぶる。7月8日には、トランプ米大統領がイランとの覚書を「終わった」と宣言し、米軍がイランに追加攻撃を行ったことで、原油価格は5%以上急騰した。この出来事は、いかなる季節性のパターンも一つの地政学的ショックで覆されうることを市場に再認識させた。
市場が注目する今後の重要日程
今後、市場の方向性を占う上で2つの日程が重要となる。まず、7月21日にWTI原油の期近物(8月限)が決済日を迎え、投資家が次の限月(9月限)に乗り換えるロールオーバーが発生する。この際の価格動向は、専門家の間で市場の先行きがどう見られているかを示す手掛かりとなる。
次に、8月1日にはOPECプラスが日量18万8000バレルの増産を実施する予定だ。これは、夏のドライブシーズンによる需要がピークを過ぎ始める時期と重なり、需給バランスをさらに緩める可能性がある。今後数ヶ月の原油相場は、OPECプラスの供給規律、米・イラン間の緊張、そして中間選挙の年という季節的な逆風という複数の要因に左右される展開となりそうだ。