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原油価格が反落、米在庫の予想外の急増が中東の供給懸念を相殺

Summary
米国の原油在庫が市場予想に反して大幅に増加したことを受け、2日続伸していた原油価格が反落した。中東の地政学的リスクによる供給不安は根強いものの、目先の需給緩和観測が上値を抑えた。
2日続伸していた原油価格は水曜日に反落した。米国の原油在庫が市場予想を大幅に上回って増加したことが、中東情勢の緊迫化による根強い供給懸念を一時的に上回った。
米国東部時間午前8時31分(日本時間午後9時31分)時点で、国際的な指標であるブレント原油先物は1.4%安の1バレル=$107.27、米国産WTI原油先物は2.0%安の1バレル=$103.68で取引されている。
米在庫の急増が価格を圧迫
米国石油協会(API)が発表した9月11日までの週のデータによると、米国の原油在庫は714万バレルの増加となった。これは市場が予想していた180万バレルの減少とは対照的な結果であり、世界最大の燃料消費国における需要の鈍化を示唆した。
この在庫増は、米国政府による戦略石油備蓄(SPR)の継続的な放出に起因する可能性もある。米国エネルギー情報局(EIA)のデータによれば、SPRは2026年以降で約1億3000万バレル減少し、2億8536万バレルとなっている。公式の在庫統計は同日中にEIAから発表される予定だ。
中東の供給不安は継続
Ad今回の価格下落に先立ち、ブレント原油とWTI原油は過去1週間で少なくとも6%上昇していた。背景には、中東での紛争がホルムズ海峡を越えて拡大し、供給が中断するとの懸念が強まっていたことがある。
- サウジアラビアへの攻撃: イランが支援するフーシ派が主要産油国サウジアラビアを攻撃し、ホルムズ海峡を迂回する代替ルートとして利用されていた主要な東西パイプラインが閉鎖に追い込まれた。
- 主要航路のリスク: フーシ派はイエメン西部での支配を固め、ペルシャ湾からの原油輸送のもう一つの要衝であるマンデブ海峡に対する影響力を強めている。
- その他の供給減: ロイター通信は、サウジアラビアがヤンブ港での原油積出を停止したと報じた。また、リビアでも3つの油田が生産を停止しており、世界的な供給逼迫への懸念は続いている。
市場への影響と金融政策への思惑
原油価格の高騰は、エネルギー主導のインフレが長期化するとの懸念を再燃させている。この影響は債券市場にも波及し、米国の10年物国債利回りは約20年ぶりの高水準に達した。
市場は現在、米連邦準備制度理事会(FRB)が今週の政策会合で利上げを決定する確率を92%織り込んでいる。利上げはインフレ抑制に寄与する一方、経済成長を鈍化させるリスクもはらんでおり、金融市場はFRBの判断を注視している。