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米メディケア肥満症薬プログラム、効果を重視し注射剤が予想外の人気

米国の高齢者向け公的医療保険「メディケア」が試験的に開始した肥満症治療薬の提供プログラムで、多くの患者が経口薬よりも注射剤を選択していることが明らかになった。これは、利便性の高い経口薬が好まれるという製薬業界の一部予想を覆す動きとなっている。
メディケア試験プログラムで注射剤が人気に
米メディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)は今月、65歳以上の米国人を対象とした18ヶ月間の試験プログラムを開始した。これにより、ノボノルディスク社の「ウゴービ」やイーライリリー社の「ファウンダヨ」「ゼップバウンド」といったGLP-1作動薬が、初めて減量治療目的で月額50ドルで利用可能となった。
ロイターが取材した医師や製薬業界アナリストによると、多くの患者は注射剤を選択しているという。これは、ノボノルディスク社の米国責任者が6月に「メディケア受給者は2対1の割合で注射剤より経口薬を好む」との調査結果を示したこととは対照的だ。
ノースカロライナ大学ヘルスウェイトマネジメントプログラムのディレクターであるサラ・ロー医師は、「間違いなく、患者は注射剤を求めている。その効果を知っており、これまで非常に高価だったからだ」と述べている。
有効性の差が選択を左右
患者が注射剤を好む背景には、経口薬との有効性の差がある。各薬剤の臨床試験データによると、減量効果には明確な違いが見られる。
Ad- ゼップバウンド(注射剤): 72週間で22%以上の体重減少
- ウゴービ(注射剤): 68週間で15%の体重減少
- ウゴービ(経口薬): 64週間で約14%の体重減少
- ファウンダヨ(経口薬): 72週間で約11%の体重減少
RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、チュン・フィン氏は、「ほとんどの人にとって最も重要なのは有効性であることが判明した」と指摘する。この傾向は、投資家が活況を呈する肥満症治療薬市場の将来を評価する上で重要な要素となる可能性がある。
運用面の課題も浮上
プログラムの立ち上がりは、CMSや製薬会社からは概ね好意的に評価されている。イーライリリー社の広報担当者は、プログラムは「非常にうまく機能している」とし、関心の高さに勇気づけられていると述べた。
しかし、現場ではアクセスや手続きの面で課題も報告されている。一部の患者は承認を待たされている状況にあり、医師からは手続きが「煩雑」で、承認を得るために多くの時間と労力を要するとの声も上がっている。
一方で、アトランタの減量クリニックKnownwellのクリスティーナ・グエン医師は、最初の1週間で全米約200人の患者の承認を得たと報告しており、適格な患者については承認が迅速に進んでいるケースも多い。プログラムの運用が安定するにつれ、これらの初期課題が解消されるかどうかが注目される。