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欧州ガス価格が5%急騰、JERAトップが貯蔵レベルの低さに警鐘

Summary
欧州の天然ガス価格が中東の供給懸念とJERAトップによる貯蔵レベルへの警告を受け5%近く急騰。インフレ圧力と中央銀行の金融政策引き締め観測が強まっている。
欧州の天然ガス卸売価格は14日、中東における輸送の混乱と、域内のガス備蓄が枯渇しているとの警告を受け、約5%急騰した。指標価格は重要な心理的節目を突破し、2022年後半以来の高値を更新した。
価格動向の詳細
欧州大陸のガス価格指標であるオランダTTF先物(期近物)は、約5%上昇し、1メガワット時(MWh)あたり83.40ユーロで取引され、複数年来の高値を付けた。同様に、英国のNBP卸売ガス契約も約5%上昇し、1サームあたり201.50ペンスと、重要な節目である200ペンスを大きく上回った。
この価格急騰は、地政学的リスクの高まりを市場が織り込む動きを反映している。
背景:供給懸念とJERAトップの警告
価格上昇の背景には、アジアの主要なエネルギー購入者からの厳しい警告がある。日本の最大手発電事業者であり、世界最大級の液化天然ガス(LNG)購入者であるJERAの可児行夫CEO兼会長は14日、欧州のガス備蓄が依然として低水準であり、ホルムズ海峡周辺の輸送混乱が長期化する可能性があると指摘した。
AdGas Infrastructure Europeのデータによると、欧州の地下ガス貯蔵施設の貯蔵率は約68%にとどまっており、これは例年の同時期の平均を17ポイント近く下回る水準である。本来であれば、冬を前に貯蔵タンクが満杯に近づく時期であり、供給の脆弱性が浮き彫りになっている。
ペルシャ湾での軍事的緊張は、ホルムズ海峡を通過するLNGタンカーの交通量を大幅に減少させており、世界の柔軟なLNG供給の重要な部分を占めるカタールからの輸出を直接脅かしている。
市場への影響:インフレと金融政策
天然ガス価格の急騰は、1バレル112ドル近くまで上昇したブレント原油価格と相まって、欧州経済全体にスタグフレーション(景気後退下のインフレ)圧力を深刻化させている。エネルギーコストの上昇は、欧州中央銀行(ECB)が先週、政策金利を0.25ポイント引き上げ2.50%とした直後に発生した。
エネルギー価格の高騰が広範な物価上昇を引き起こすのを防ぐため、市場ではECBをはじめとする各国中央銀行が来年にかけて引き締め的な金融政策スタンスを維持せざるを得ないとの見方が強まっている。