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欧州天然ガス、7月以来の大幅な週間上昇 ホルムズ海峡の緊張が供給懸念を再燃

Summary
ホルムズ海峡を巡る地政学的緊張の高まりと記録的に低い貯蔵水準を背景に、欧州の天然ガス指標価格が7月下旬以来最大となる週間上昇率を記録する見通しとなった。
欧州の天然ガス指標価格は今週、7月下旬以来最大となる週間上昇率を記録する見通しだ。ペルシャ湾のホルムズ海峡を巡る地政学的緊張が激化し、冬季の供給不足に対する市場の懸念が再燃したことが背景にある。
価格急騰の背景
英国の天然ガス近月物価格は今週、10%近く上昇し、1サームあたり約145ペンスに達した。これは7月20日以来で最も力強い5日間の値動きとなる。欧州大陸の指標であるオランダTTF先物も同様に堅調で、週間の上昇率は約9%、価格は1メガワット時(MWh)あたり約59.50ユーロとなっている。
価格高騰の直接的な引き金となったのは、ホルムズ海峡の通航権を巡る米国とイランの外交交渉が決裂したことだ。これにより、カタールから欧州への液化天然ガス(LNG)の供給が大幅に減少し、電力会社は代替供給源を求めてスポット市場での緊急調達を余儀なくされている。
供給懸念と低水準の貯蔵量
Ad今回の地政学的リスクは、欧州のエネルギー安全保障がすでに脆弱な状況で発生した。欧州ガスインフラ協会(Gas Infrastructure Europe)のデータによると、EUの地下ガス貯蔵施設の現在の貯蔵率はわずか59%であり、8月中旬としては過去最低水準にある。
現在の貯蔵レベルは前年同期を約12パーセントポイント下回っており、過去5年間の季節平均も大幅に下回っている。この状況は、初秋に寒波が到来した場合、欧州が極端な価格変動リスクに晒されることを意味する。さらに、南欧および中欧での夏の猛暑により冷房需要が急増し、貯蔵に回されるはずだったガスが発電用に消費されたことも、貯蔵補充の遅れに拍車をかけた。
市場の見通し
ホルムズ海峡をLNG船が自由に航行できるようになり、ガス貯蔵ペースが大幅に加速するまで、市場関係者の間では暖房シーズンに向けて欧州のガス価格に高い地政学的リスクプレミアムが織り込まれ続けるとの見方が大勢だ。供給不安が解消されない限り、価格の下落余地は限定的とみられている。