Story
ジンバブエ、新通貨への一本化を延期 経済安定を優先

ジンバブエ政府高官は、インフレ率と為替レートが安定するまで、米ドルの使用を性急に廃止することはないと表明した。これにより、当初2030年までを目標としていた新通貨「ジンバブエ・ゴールド(ZiG)」への完全移行計画は延期されることになる。
経済安定を最優先
財務省のジョージ・グワマタンガ次官は、首都ハラレで開催された予算検討会議で財界関係者に対し、「為替レートとインフレが安定するまで、単一通貨への移行を急ぐことはない」と述べた。この発言は、経済のファンダメンタルズが整うまで、米ドルとZiGが併存する二重通貨制度を維持するという政府の現実的なアプローチを示している。
投資家や市場にとって、この決定は短期的な安定性をもたらす。多くの企業が取引で米ドルに依存しているため、二重通貨制度の継続は事業運営の予測可能性を高める。しかし、長期的には自国通貨への信認確立という根本的な課題が残ることを示唆している。
新通貨「ZiG」の背景
ジンバブエは2024年4月、金準備に裏付けられた新通貨ZiGを導入した。これは、度重なるハイパーインフレを経験した同国にとって、正常に機能する自国通貨を確立するための6回目の試みとなる。
Ad- 当初の計画: 2030年までに米ドルの使用を段階的に廃止し、ZiGを唯一の法定通貨とする。
- インフレの推移: 年間インフレ率は、2020年5月には786%に達したが、先月には3.2%まで低下した。
このインフレ鎮静化の動きは前向きな兆候だが、政府は持続的な安定を確認するまで慎重な姿勢を崩していない。
今後の見通し
グワマタンガ次官は、政府が外貨準備高を現在の輸入1.6カ月分相当から、2カ月分をカバーできる水準まで引き上げる計画であることも明らかにした。外貨準備の積み増しは、為替レートの安定と対外的な信認向上にとって不可欠な要素となる。
今回の決定は、ジンバブエが過去の通貨政策の失敗から学び、より現実的で段階的なアプローチを選択していることを示している。市場は今後、インフレ率や為替レート、外貨準備高といった主要経済指標の動向を注視していくことになるだろう。