Story
ストラテジー社の新戦略、ビットコイン見通しの鍵に=英スタンダードチャータード銀

Summary
英スタンダードチャータード銀行は、ビットコインの企業保有最大手であるストラテジー社の戦略転換を巡る不透明感が短期的な価格の重しになっていると指摘。同社からの明確な情報開示が市場の懸念を払拭し、価格上昇につながるとの見方を示した。
英スタンダードチャータード銀行は7月10日付の投資家向けメモで、暗号資産(仮想通貨)ビットコインの短期的な見通しは、企業保有最大手であるストラテジー(旧マイクロストラテジー)社の戦略を巡る不透明感に左右されるとの見方を示した。同行は、同社による明確な方針説明が市場の懸念を払拭するとして、2026年末のビットコイン価格予測10万ドルを維持している。
ストラテジー社の戦略転換
スタンダードチャータード銀行のアナリスト、ジェフ・ケンドリック氏によると、ビットコインの総発行上限2100万枚の4%超にあたる84万3775BTCを保有するストラテジー社は、これまで掲げてきた「ビットコインは決して売らない」という方針から、より複雑なアプローチへと転換しているように見えるという。
この方針転換の背景には、同社の企業価値をビットコイン保有量で割った指標「mNAV」が、2020年から2025年半ばまで1.0を大きく上回っていた水準から約1.0まで低下したことがある。これにより、株式を発行してビットコインを購入するという従来のモデルの有効性が薄れてきたと同氏は指摘する。
新たなアプローチと市場への影響
同行によると、ストラテジー社は現在、保有するビットコインを自社の優先株「STRC」の担保とする方向へ戦略を転換している。このSTRCはクレジット商品として機能し、想定元本は約100億ドルにのぼる。
Adケンドリック氏は、STRCは「大幅に過剰担保されているため、現在の90ドル付近から100ドルに戻るはずだ」と述べている。同氏は、ストラテジー社がこの新戦略について効果的な情報発信を行うことが「大規模な売却は起こりにくいと市場を安心させる鍵だ」と強調。このシグナルが市場に受け入れられれば、同社が実際にビットコインを売却する必要性はなくなると分析している。
ビットコイン価格見通しは維持
スタンダードチャータード銀行は、最近のビットコイン価格の軟調な動きを「中期的な方向性を示すシグナルというよりは、ほとんどがノイズだ」と見なしている。このため、2026年末までに10万ドルに達するという価格予測を改めて表明した。
ストラテジー社の方針が明確になることで、ビットコイン市場の上値を抑えていた要因が取り除かれる可能性があると同行は結論付けている。