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S&P、日立のアウトルックを「ポジティブ」に引き上げ-競争力強化を評価

S&Pグローバル・レーティングは4日、日立製作所(東証:6501)の長期発行体格付け「A」および短期発行体格付け「A-1」を据え置くとともに、格付けアウトルックを「安定的」から「ポジティブ」に引き上げた。ITサービスを軸とした事業ポートフォリオの再編が進み、競争力が一段と強化される可能性が高まっていることを理由に挙げている。
事業ポートフォリオ再編と競争力強化
S&Pは、日立が長期的な成長機会を捉えるための事業ポートフォリオ構築を進めている点を評価した。同社は、ITサービスと製品群を組み合わせた高付加価値ソリューションの創出に注力しており、特に構造的な需要増が見込まれる社会インフラとITサービスの領域に経営資源を集中している。
過去数年間で自動車部品事業や建設機械事業の全株式、海外空調事業などを売却する一方、2024年に買収した鉄道信号事業の統合などを進めている。S&Pは、今後AIを活用した先進的なサービスが各事業に展開されることで、持続的な競争力と収益性の向上につながる可能性が高いとみている。
財務規律と収益性の改善
S&Pは、日立が投資や株主還元を拡大する中でも、キャッシュフロー創出力の向上と規律ある財務運営を通じて、主要な財務指標を良好な水準に維持するとの見通しを示した。2026年3月期(2025年度)には、収益拡大や資産売却などにより、同社はネットキャッシュ・ポジションを達成している。
AdS&Pは、日立のEBITDAマージンが2025年度の15.6%から、今後1~2年で16%台半ばから後半に改善すると予測。また、継続的な収益改善と財務規律により、EBITDA有利子負債倍率は今後1~2年で約1.0倍の水準を維持すると見込んでいる。
将来的な格上げの可能性
今回の見通し引き上げは、将来的な格付け引き上げ(アップグレード)の可能性を示唆するものだ。S&Pは、規律ある財務運営の下で以下の条件が満たされた場合に、日立の格付けを引き上げる可能性があるとしている。
- EBITDAマージンが持続的に16%を上回る
- EBITDA有利子負債倍率が1.5倍を下回る水準で推移する