Story
セールスフォース株が急落、モルガン・スタンレーが投資判断と目標株価を大幅引き下げ

Summary
米セールスフォースの株価が時間外取引で急落した。モルガン・スタンレーが、AI分野での進展とサブスクリプション収益の悪化との間に乖離があると指摘し、投資判断を「イコールウエート」に引き下げたことが嫌気された。
米ソフトウェア大手セールスフォース(CRM)の株価が21日の時間外取引で4.1%下落した。大手証券会社モルガン・スタンレーが、同社の投資判断を「オーバーウエート」から「イコールウエート」へと引き下げ、目標株価も287ドルから185ドルへと大幅に下方修正したことが主な要因である。
モルガン・スタンレーの厳しい評価
モルガン・スタンレーのアナリスト、アダム・ウッド氏は格下げの理由について、AI分野での進展と、悪化が続くサブスクリプション収益の成長トレンドとの間に「憂慮すべきギャップ」が存在すると指摘した。同氏は特に、ポートフォリオ内のコマース部門やTableau(タブロー)部門が構造的な不振に陥っており、AI関連の好材料だけではその影響を克服できていないと分析している。
他社の見方も重しに
モルガン・スタンレーの動きに加えて、同日には証券会社CLSAがセールスフォースのカバレッジを「ホールド」、目標株価165ドルで開始したことも売り圧力となった。CLSAのアナリストは、現在の株価水準での投資には慎重な姿勢を示し、買収やAIによる追い風を除いたオーガニック成長率を前年同期比で約6%と見積もっている。
Ad一方で、ゴールドマン・サックスは第3四半期の成長加速を期待し、投資判断「買い」と目標株価242ドルを再表明した。しかし、この強気な見方は、市場の売りを吸収するには至らなかった。
市場の反応と背景
この日の米国市場はS&P 500が0.4%高、ナスダック総合指数が1.3%高となるなど主要指数が堅調に推移しており、セールスフォースの株価下落は同社固有の要因によるものであることが際立った。同社の株価は年初来で既に約34%下落しており、52週高値の274ドルを大きく下回っている。
大手証券会社による大幅な格下げと、別の証券会社による保守的な目標株価の設定が重なったことで、投資家はAIがもたらす回復シナリオが、引き下げられた評価を正当化するほど迅速に実現可能かどうかを再評価せざるを得ない状況に直面している。