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英ポンド、ドル全面安の中で反落 ショートカバー主導の上昇に一服感

16日の外国為替市場で英ポンドは対ドルで下落した。米国のインフレ鈍化を示す経済指標を受けてドルが全面安となる展開だったが、ポンドは利益確定売りに押された。市場では、最近のポンド高が英国経済のファンダメンタルズ改善というより、投機筋のショートポジション解消(ショートカバー)によるものとの見方が強く、上昇の勢いが一服した形だ。
ドル安の背景とFRBの動向
この日のドル安は、米国の生産者物価指数(PPI)が市場予想を下回ったことが背景にある。これに先立つ消費者物価指数(CPI)の伸び悩みと合わせ、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めサイクルが最終局面に近づいているとの観測を強めた。
- GBP/USD: 一時0.21%安の1.3509ドルに下落(東部時間午前8時3分時点)。
- EUR/USD: ほぼ横ばいの1.1470ドルで推移。
ただし、ウォラーFRB理事など当局者からは、インフレ鈍化の傾向が数カ月続かなければ利上げ停止を判断するのは時期尚早との慎重な発言も出ている。市場は年内にもう一回の利上げを織り込んでいる。
ポンド上昇はポジション調整が主因か
Ad金融大手INGのアナリスト、クリス・ターナー氏は、最近のポンド高について「英国経済の見通しが大幅に再評価されたというより、ポジション調整の色彩が強い」と指摘する。同氏によると、投機筋のポンドに対する売り越しポジションは2017年以来の高水準に達しており、ショートカバーの余地が大きかったという。
また、英国の政治情勢も相場に影響を与えた。次期労働党政権の財務相候補として、より中道寄りとされるシャバナ・マフムード氏が浮上したとの報道を受け、財政拡大への警戒感が後退。これにより英国債(ギルト)がドイツ国債(ブント)をアウトパフォームし、対ユーロでポンドが買われる(EUR/GBPが0.8500を割り込む)場面も見られた。
今後の見通しと注目材料
市場の焦点は、今後発表される米国の6月小売売上高や、来週に控える英国のCPIと雇用統計に移っている。これらの経済指標が、各国中央銀行の金融政策の方向性を占う上で重要な手掛かりとなる。
INGは、短期的にGBP/USDが1.3600/1.3650ドルを試す可能性があるとしながらも、ポジション調整が一巡すれば、再び英国のマクロ経済やイングランド銀行(BoE)の政策に注目が集まると予想。その場合、EUR/GBPは最終的に0.8600/0.8610の水準を再び試す展開になる可能性があるとの見方を示している。