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EUデジタル市場法違反のグーグル、最大100億ドルの損害賠償請求に直面

Summary
EUのデジタル市場法(DMA)に基づき10億ドルの罰金を科されたグーグルに対し、欧州の競合各社が相次いで訴訟を提起しており、損害賠償請求額は最大100億ドルに達する可能性がある。
アルファベット傘下のグーグルが欧州で展開してきた事業慣行に対する数十年にわたる規制当局の調査は、新たな段階に突入した。欧州連合(EU)の新たなデジタル市場法(DMA)に基づき初めて10億ドルの罰金が科されたことを受け、競合他社による損害賠償請求訴訟が相次いでおり、請求額は最大で100億ドルに上る可能性がある。
デジタル市場法(DMA)違反が引き金に
今回の動きは、グーグルが自社サービスを不当に優遇し、アプリ開発者がユーザーを自社のアプリストア「Google Play」外の安価な選択肢に誘導することを妨げたとして、DMAに基づき10億ドルの罰金を科されたことに端を発する。この決定は、グーグルによる継続的な不正行為を認定したものであり、他の企業が損害賠償を求めて提訴する動きを後押ししていると専門家は指摘する。
ドイツの価格比較サイトIdealoの代理人を務めるGeradin Partnersのトーマス・ホップナー氏は、「これが新たな訴訟の波を引き起こすだろう」と述べた。Idealoは既にベルリンの裁判所で、独占禁止法違反としてはドイツ史上最高額となる4億6500万ユーロ(約5億2890万ドル)の損害賠償を勝ち取っている。
各国で相次ぐ訴訟
グーグルは2017年以降、EUの規制当局から既に数十億ユーロの制裁金を科されているが、今回の民間訴訟はそれに上乗せされる形となる。ロイター通信によると、欧州各国で複数の訴訟が様々な段階にあり、さらに多くの訴訟が準備されているという。
Ad- PriceRunner(スウェーデン): 2022年に数十億ドル規模の訴訟を提起。ストックホルムの裁判所は7月、グーグルに対し利息を含め約19億7000万ドルの支払いを命じた。
- Kelkoo(英国): 英国の価格比較サイトで、数十億ポンドの損害賠償を求めている。リチャード・ステーブルズCEOは、DMAの決定が進行中の訴訟を後押しするとの見方を示した。
- Moltiply Group(イタリア): 価格比較サイトTrovaprezzi.itを運営しており、29億7000万ユーロの賠償を求めている。
グーグルの広報担当者は、「これらの訴訟にはメリットがないと強く考えている。自社製品に投資する代わりに支払いを求めている企業によって起こされたものだ」とコメントしている。
市場への影響と今後の見通し
これらの損害賠償請求は、グーグルがAI分野への大規模な投資によりキャッシュフローを圧迫されている時期に重なる。アルファベットの第2四半期のフリーキャッシュフローは、上場以来初めてマイナスとなった。過去10年間でグーグルがEUから科された制裁金は、既に104億ユーロに達している。
訴訟手続きは長期化する傾向があり、控訴審を含めると数年から数十年かかる可能性もある。訴訟支援会社LitFinの幹部は、グーグルにとって制裁金は「事業コスト」の一部と見なされている可能性を指摘し、最終的な解決までには最長で8年かかる可能性もあると述べている。投資家にとっては、これらの法務リスクが長期にわたって同社の財務に影響を与える可能性を注視する必要がある。