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欧州天然ガス、週間で2週連続下落-地政学リスク緩和も供給懸念が下支え

Summary
金曜の欧州天然ガス価格は小幅に反発したものの、週間では2週連続の下落を記録した。中東の緊張緩和が価格を押し下げる一方、タイトな供給状況が下値を支える展開となっている。
欧州の天然ガス価格は金曜日に小幅に上昇したものの、週間ベースでは2週連続の下落となった。中東情勢を巡る地政学的リスクプレミアムが剥落したことが背景にあるが、依然としてタイトな需給ファンダメンタルズが価格の下支え要因となっている。
地政学リスクの後退
指標となるオランダTTF天然ガス先物の期近物は金曜日、1メガワット時(MWh)あたり約57.50ユーロへと0.5%上昇し、週初につけた3週間ぶりの安値から反発した。しかし、週間では約2.5%の下落となり、7月下旬の高値からの調整局面が続いている。
この背景には、ホルムズ海峡の安全な航路確保に向けたオマーンやカタールによる外交努力が進展しているとの報道がある。これにより、ペルシャ湾からの供給が即座に中断するとの懸念が後退し、エネルギー市場の緊張が和らいだ。過去2週間にわたる世界的な原油価格の下落も、市場心理の改善に寄与した。
供給逼迫と低水準の貯蔵量
一方で、現物市場の引き締まった状況が価格のさらなる下落を抑制している。外交交渉は続いているものの、ホルムズ海峡を通過する液化天然ガス(LNG)タンカーの航行は依然として厳しく制限されている。
Adこれにより、主要生産国であるカタールなどから欧州への夏のスポット貨物の到着に遅れが生じている。これは、欧州のガス事業者が冬の需要期を前に貯蔵量を積み増している極めて重要な時期と重なる。
- 8月時点のEUのガス貯蔵率は55%から57%の範囲にとどまっている。
- これは、過去5年間の同期間の平均である約71%を大幅に下回る水準である。
旺盛な需要が価格を支える
供給面の課題に加え、南欧における記録的な猛暑が冷房用の電力需要を押し上げ、ガス火力発電の稼働率を高めていることも需要を押し上げている。このため、欧州のバイヤーはアジアの輸入業者と世界のLNGスポット貨物を奪い合う状況にある。
市場関係者は、こうしたタイトな需給を背景に欧州の天然ガス価格は引き続き下支えされるとみている。市場は中東での外交交渉のいかなる進展にも引き続き高い感応度を示すだろう。