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欧州天然ガス、5カ月ぶり高値圏で足踏み イラン制裁の供給懸念後退で

Summary
欧州の天然ガス先物価格は、5カ月ぶりの高値圏で横ばいとなっている。米国がイランに課した追加制裁が、市場が懸念した即時の供給寸断には至らなかったため、買いの勢いが一服した。
欧州の天然ガス先物価格は25日、5カ月ぶりの高値水準でもみ合いとなった。米国がイランに対して発表した新たな制裁措置が、市場の懸念した即時の供給ショックを引き起こさなかったことから、ここ数週間の急騰に一服感が出ている。
指標となるオランダTTFの天然ガス先物価格は、前日までの1週間で7%上昇し、3月中旬以来の高値を付けていたが、この日はほぼ横ばいで推移した。英国の卸売価格も同様の動きを見せている。
制裁内容と市場の反応
価格上昇が一服した背景には、米国が「経済的なDデー」と位置付けた対イラン追加制裁の詳細が明らかになったことがある。市場では当初、イランを支援する貿易相手国への二次的制裁の警告から、新たな供給ボトルネックが発生するとの警戒感が広がっていた。
しかし、今回発表された制裁は、既存の海運や技術に関する制限を強化するものが中心で、ホルムズ海峡での新たな海上封鎖や船舶拿捕といった物理的な供給遮断を伴うものではなかった。これを受け、エネルギー市場のトレーダーはリスクプレミアムを引き下げ、原油価格も反落。北海ブレント原油は1バレル91.50ドル近辺まで値を戻し、エネルギーコスト全体の急騰に対する懸念はひとまず後退した。
Ad根強い供給不安と今後の見通し
短期的な供給懸念は和らいだものの、欧州のエネルギー需給の脆弱性は依然として残る。ホルムズ海峡における物理的な輸送リスクは未解決であり、これが天然ガス価格の下支え要因となっている。
欧州ガスインフラストラクチャー(Gas Infrastructure Europe)のデータによると、欧州連合(EU)域内の地下ガス貯蔵施設の貯蔵率は、総容量の60%をわずかに超える水準にとどまっている。夏の冷房向け電力需要の高さや、カタールからの液化天然ガス(LNG)供給の遅延により、暖房シーズンを前にした在庫積み増しは難航しており、需給の引き締まりに対する根本的な懸念は払拭されていない。