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欧州ガス価格、供給リスクと外交努力をにらみ3週間ぶり安値圏で膠着

Summary
欧州の天然ガス価格は、中東での外交交渉進展への期待感と、過去20年で最低水準にある貯蔵残高などの根強い供給不安との間で綱引きとなり、3週間ぶりの安値圏で推移している。
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欧州の天然ガス価格は、中東における外交交渉の進展期待が地政学リスクを後退させる一方、依然として根強い供給面の制約が意識され、約3週間ぶりの安値水準で方向感の乏しい展開となっている。
中東情勢の緩和期待と供給逼迫の綱引き
欧州のガス価格の指標となるオランダのガス先物(TTF)期近物は、前日に付けた数週間ぶりの安値近辺で横ばいに推移した。市場では、米・イラン間の交渉が進展し、ペルシャ湾の重要な輸送回廊の安全な航行を確保するための草案作成に向かっているとの報道が材料視されている。
この地政学的緊張の緩和見通しがリスクプレミアムを低下させ、先月下旬に記録した数年ぶりの高値から価格を押し下げる要因となった。しかし、市場参加者は構造的な供給制約が価格の確固たる下支え要因になっていると指摘しており、一本調子の下落には至っていない。
構造的な供給不安が価格を下支え
外交的な進展への期待感はあるものの、市場のファンダメンタルズは依然として逼迫している。特に、欧州連合(EU)のガス貯蔵状況は深刻で、価格の下落を限定的にしている。
Ad- 低水準の貯蔵残高: 8月時点のEU域内のガス貯蔵率は約55~57%にとどまり、この時期としては過去20年近くで最も低い水準となっている。
- 輸送のボトルネック: 主要な輸出国であるカタールなどから液化天然ガス(LNG)を運ぶタンカーのホルムズ海峡通航が大幅に制限されており、夏の納入スケジュールに遅れが生じている。
- 旺盛な需要: 中欧および南欧における季節外れの猛暑が冷房用の電力需要を押し上げ、ガス需要をさらに高めている。
市場の見通し
欧州の電力会社は、利用可能なスポットLNGカーゴを巡ってアジアの買い手と激しい競争に直面している。こうした状況から、エネルギーアナリストは、欧州の天然ガス価格は構造的に下支えされやすい地合いが続くとみている。
市場は、進行中の外交交渉のいかなる遅延や混乱、あるいはその他の供給障害に対しても非常に敏感な状態が続くと予想される。