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欧州天然ガス、3週続伸へ 中東情勢受けた5カ月ぶり高値からは後退

Summary
欧州の天然ガス価格は、根強い供給懸念を背景に3週連続の上昇となる見通し。中東の地政学的リスクを巡る報道で一時5カ月ぶりの高値を付けたが、その後は外交努力への期待から上げ幅を縮小した。
欧州の天然ガス指標価格は、週後半に上げ幅を縮小したものの、3週連続での上昇となる勢いだ。中東からの供給途絶リスクが意識され、価格は一時2026年3月以来の高値を付けたが、その後の外交交渉の報道を受けて沈静化した。
地政学リスクが価格を押し上げ
今週、欧州のガス価格は5カ月ぶりの高水準に急騰した。市場参加者が中東での緊張激化と、重要な輸送路であるホルムズ海峡を経由するカタール産液化天然ガス(LNG)の供給障害リスクを織り込んだためだ。
しかし、カタールとオマーンが仲介役となり、商業船舶の安全な通航を確保するため米国とイラン間の協議を開始したとの報道が伝わると、価格は高値から後退。これまで織り込まれていた地政学的リスクプレミアムの一部が剥落した。
低水準の貯蔵率が下値を支える
価格は一時的なピークから下落したものの、物理的な市場の需給は依然として引き締まっており、相場は高止まりしている。この背景には、欧州のガス在庫に対する根強い懸念がある。
AdGas Infrastructure Europeのデータによると、欧州連合(EU)域内の地下ガス貯蔵施設の貯蔵率は現在、全体の約62%にとどまっている。これは過去5年間の季節平均である約79%を大幅に下回る水準であり、深刻な充填不足を示唆している。
市場への示唆
欧州大陸での猛暑による電力需要の増加や、ノルウェーの洋上ガス田における定期メンテナンスが重なり、季節的な在庫補充が大幅に制限されている。この構造的な供給不安が、卸売価格にリスクプレミアムとして反映されている形だ。
市場は今後も、中東の外交動向と、冬の需要期を前にした貯蔵レベルの回復ペースを注視することになる。根本的な需給の引き締まりが続く限り、ガス価格は不安定な値動きを続ける可能性が高い。