Story
キューバ、経済改革を本格化へ 米国の圧力下で民間部門に門戸開放

Summary
キューバ政府は、米国の厳しい経済制裁下で、エネルギーや観光などの主要な国営部門を民間企業に開放する経済改革の詳細を発表した。ただし、医療など戦略的分野の民営化は否定している。
Text size
Background
ロイター通信によると、キューバ政府は米国の経済的圧力が高まる中、国営経済の主要部門を民間企業に開放する経済改革の具体策を明らかにした。先週木曜日に閉会した国会(人民権力全国会議)で、土地利用の規制緩和や民間による燃料・医薬品の輸入許可など、広範な改革案が議論された。
改革の概要と政府の姿勢
今回の改革は、先月承認された176項目からなる包括的な経済対策の一環。ミゲル・ディアスカネル大統領は、これらの措置は米国を喜ばせるためのものではないと強調し、「略奪的な資本主義を導入したり、国家資産の大規模な民営化を行ったりすることはない」と演説で述べた。大統領は、医療、科学、文化といった国家の戦略的分野は民営化の対象外であると明言している。
米国の制裁が改革を後押し
過去にもキューバは経済改革を発表したものの、実行が伴わなかったり、後退したりした経緯がある。しかし、米国による石油禁輸措置や新たな制裁強化を受け、経済は深刻な打撃を受けており、改革の断行が不可避となっている。マヌエル・マレロ・クルス首相によると、政府はすでに一部の改革に着手しており、以下のような進展が見られる。
- エネルギー分野: 外国投資による初の燃料輸入・販売事業が認可された。また、約200の国内企業が燃料の卸売りに従事する許可を得ている。
- 民間部門: 民間企業がこれまで政府の厳格な管理下にあった医療や教育分野に参入できるよう、40以上の規制が撤廃された。これにより、国営薬局で深刻化している医薬品不足を背景に、民間企業による医薬品の輸入が可能になる。
Ad主要産業の活性化策
経済の柱である農業と観光業の再生も急務となっている。国会では、両分野への民間投資を促進するための方策が承認された。
- 農業: 国有地が全体の80%を占める中、国内外の個人や民間企業が土地を利用する際の手続きを簡素化する新農業法が承認された。
- 観光業: 米国の制裁強化や燃料不足による航空便の欠航で壊滅的な打撃を受け、国内ホテルの4分の3近くが閉鎖されている。政府は、民間の旅行会社やレンタカー事業、エコツーリズムなどへの規制を緩和する10の措置を承認した。
マレロ首相は、改革の成果は徐々に現れるものであり、「これから最も重要で、おそらく最も困難な段階が始まる」と述べ、改革の実行には時間がかかるとの見通しを示した。