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商品大手Radiant World、不正書類疑惑で調査対象に 取引停止が拡大

Summary
商品トレーディング大手Radiant Worldが、銀行に無効な書類を提出したとの疑惑で当局の調査を受けている。これを受け、複数の大手金融機関や同業他社が同社との取引を停止しており、市場への影響が懸念されている。
商品トレーディング大手のRadiant Worldが、銀行に提出した書類の有効性を巡る疑惑で当局の調査対象となり、複数の取引先が同社とのビジネスを停止するなど、波紋が広がっている。同社は疑惑を「不正確で根拠がない」と否定し、「最高水準の商業的・法的基準に則って事業を行っている」と主張している。
何が起きたのか
ブルームバーグ・ニュースが7月下旬に報じたところによると、Radiant Worldが銀行に提出した請求書などの書類が無効であったことを理由に、商品トレーディング大手のVitol GroupとCargillが同社との取引を停止した。また、ドイツ銀行とKBCグループはシンガポールにある同社の一部銀行口座を凍結し、他の金融機関も信用枠を停止したと伝えられている。
この動きは同業他社にも広がっている。GlencoreはRadiant Worldとの新規事業を停止し、関連引当金を計上したと発表。世界最大の金属消費国である中国の一部製鉄会社も、同社との取引を中止している。
当局の調査と市場への影響
事態を受けて各国の規制当局が調査に乗り出している。シンガポール警察は8月20日、Radiant社について調べていることを明らかにした。また、ブルームバーグによると、米司法省(DOJ)および米商品先物取引委員会(CFTC)も同社の取引について調査しているという。
市場への影響も具体化している。ロイターは8月19日、米国上場のブローカーであるMarexがRadiant社のデリバティブ取引口座を凍結したと報じた。さらに、日本の金融大手みずほは、シンガポール最高裁判所に対し、同社のシンガポール事業体に対する差止命令を申し立てたことが、裁判所のウェブサイトで明らかになった。
AdRadiant Worldとは
Radiant Worldは、インド国籍のPinkesh Nahar氏(45)によって2000年代初頭に設立された。同社のウェブサイトによると、英国、中国、シンガポール、スイス、米国、アラブ首長国連邦などに拠点を持ち、鉄鉱石の年間取扱量は8000万トンを超え、世界最大級の鉄鉱石トレーダーに成長した。銅やアルミニウムなどの非鉄金属取引でも事業を拡大している。
シンガポールでの法人登記情報によれば、同国の事業体における2025年9月期の売上高は96億ドルに達していた。同社の債権者には、ドイツ銀行のほか、ソシエテ・ジェネラル、マッコーリー、ライファイゼン、バークレイズといった大手金融機関が名を連ねている。
過去の類似事例
商品取引における書類の不正問題は過去にも発生している。2014年には、中国・青島で現地のトレーダーDezheng Resourcesが倉庫の受領書を複製・偽造し、同一の金属貨物を担保に複数の国内外銀行から数十億ドルの融資を不正に得ていた事件が発覚した。
また、2023年初頭には、大手トレーダーのTrafiguraが、高品位ニッケルの代わりに価値の低い貨物を納入されたとして、インド人実業家Prateek Gupta氏を提訴。「組織的な詐欺」による損失として5億9000万ドルを計上した。