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人民元、3年半ぶり高値 1ドル=6.72元突破も当局は元高を牽制

人民元が対米ドルで上昇を続け、9月3日には心理的節目とされた1ドル=6.72元を突破し、約3年半ぶりの高値を記録した。過去20ヶ月間の累計上昇率は9%近くに達しており、記録的な貿易黒字とドル安が元高を後押ししている。
元高の背景と市場動向
人民元高の主な要因は、1兆ドルを超える中国の記録的な貿易黒字と、広範なドル安傾向である。Investing.comによると、オフショア市場では8月下旬に一時1ドル=6.7190元まで元高が進行し、その後6.7210元付近まで値を戻した。市場では6.7200元が重要なサポートラインとして意識されている。
人民銀行による元高牽制の動き
一方で、中国人民銀行(中央銀行)は元高のペースを警戒し、抑制する動きを強めている。9月1日に設定した人民元の対ドル基準値は1ドル=6.7809元で、ロイターが算出した市場予想(6.7170元)を630ベーシスポイント以上も元安方向に乖離させるものだった。この乖離幅は過去半年で最大となる。
Ad人民銀行は2025年11月以降、市場予想よりも元安水準の基準値を設定する傾向を続けている。また、国有大手銀行が市場で米ドル買い介入を実施し、元の上昇ペースを緩やかにしようとする動きも複数回観測されている。
今後の見通しと注目材料
多くのアナリストは、今後の人民元の上昇ペースについて慎重な見方を示している。ロイターがまとめた主要投資銀行10数社の予測中央値では、2026年末の対ドルレートは6.68元とされている。BCAリサーチのチーフ・グローバル・ストラテジスト、ピーター・ベレジン氏は「中国は人民元の大幅な上昇を容認しないだろう」と指摘し、国内の融資や消費といった先行指標が鈍化していることを理由に挙げた。
今後の最大の変動要因は、米国で発表される経済指標だ。日本時間9月4日夜に公表される8月の米非農業部門雇用者数(NFP)が市場の注目を集めている。もし雇用者数が市場予想を上回れば、米連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派姿勢が意識されてドルが買われ、人民元の上昇圧力は和らぐ可能性がある。逆に、予想を下回る弱い結果となれば、人民元にはさらなる上昇余地が生まれる可能性がある。