Story
中国、国産DUV露光装置の製造を開始か=米メディア報道

Summary
米メディア「The Information」は、中国が国産の液浸深紫外線(DUV)リソグラフィ装置の製造を開始したと報じた。半導体の国内自給を目指す中国にとって重要な一歩となる可能性があるが、性能面では依然として課題が残る。
米メディアの「The Information」は7月27日、関係者の話として、中国が国産の液浸深紫外線(DUV)リソグラフィ装置の製造を開始したと報じた。これは、半導体製造の中核を担う装置の国産化に向けた大きな進展であり、世界のサプライチェーンに影響を与える可能性がある。
報道の概要
同報道によると、製造を手掛けるのは社名が明かされていない政府系のメーカーで、製造された装置は年内にも中国の主要半導体メーカーに納入される見込みだという。納入先として、中芯国際集成電路製造(SMIC)、華虹半導体(Hua Hong Semiconductor)、長鑫存儲技術(ChangXin Memory Technologies)などが挙げられている。
初期の生産規模は限定的で、今年の生産台数は約5台、2027年には約20台になる見通しだと関係者は述べている。
市場への影響と技術的課題
この報道を受け、露光装置で世界市場をほぼ独占するオランダASMLの株価は4.6%下落した。長期的には中国市場におけるASMLの優位性に挑む可能性を示唆するが、現時点では国産装置の性能や信頼性はASML製に及ばず、量産前のさらなる試験が必要だとされている。
Ad液浸DUV露光装置は、シリコンウェハー上に微細な回路パターンを焼き付けるための装置である。米国主導の輸出規制により、より先端の極端紫外線(EUV)露光装置へのアクセスを絶たれた中国の半導体メーカーにとって、DUVは入手可能な最も高度な技術となっている。
背景と今後の展望
この動きの背景には、米国が同盟国と連携して強化している先端半導体技術の対中輸出規制がある。米国はASMLなどに対し、中国への先端DUV装置の輸出や既存装置の保守サービスをさらに制限することを検討しており、中国は国内での代替供給源の確保を急いでいる。
今回の国産DUV装置の製造開始は、地政学的圧力が高まる中で中国が半導体自給率の向上を目指す国家戦略の一環とみられる。なお、中国は国産のEUV露光装置の開発も進めているが、こちらはまだ試作段階にあると報じられている。