Story
パラマウントのワーナー買収、カリフォルニアなど12州が独禁法で提訴

カリフォルニア州をはじめとする米国の12州は7月13日、パラマウント・グローバルによるワーナー・ブラザース・ディスカバリーの1100億ドル(約17兆円)規模の買収を阻止するため、独占禁止法(反トラスト法)違反で提訴しました。訴状では、この合併が映画・テレビ業界に価格を引き上げる力を持つ「巨大メディア企業」を生み出すと主張しています。
訴訟の概要と市場への懸念
カリフォルニア州司法長官が主導する今回の訴訟には、ニューヨーク州、アリゾナ州、コロラド州など11州が参加しています。州側は訴状で、合併が実現すれば、統合会社は米国内の広域公開映画の配給市場で27%、大ヒット映画配給で30%、基本ケーブルチャンネル市場で27%のシェアを握ることになると指摘しました。
州側は「この合併は、要するにメディアの巨大企業を創り出すものだ」と述べ、映画館やテレビ配給会社に損害を与え、その影響は最終的に消費者や業界の労働者に及ぶと警告しています。CNN、MTV、ニコロデオンなどの主要チャンネルを傘下に持つ両社の競争がなくなることで、料金の値上げやコンテンツの質の低下につながる可能性が懸念されています。
企業側の反論と市場の反応
パラマウント側は、この訴訟が「確立された独占禁止法を歪曲し、エンターテインメント業界における競争の現状を誤って伝えている」と反論しています。同社は、60億ドルの重複コストを削減することで、むしろ年間30本の映画を公開するなど、コンテンツ制作を増やすことが可能になると主張しています。
Adこのニュースが報じられた後も、両社の株価は堅調に推移しました。パラマウントの株価は訴訟提起後に上げ幅を広げ2.9%高、ワーナー・ブラザースの株価も2.6%高で取引を終えました。市場は現時点で、訴訟が取引を頓挫させる可能性は低いと見ている可能性があります。
背景と今後の見通し
この訴訟は、米司法省(DOJ)が先月、この買収を承認した後に提起されました。買収に批判的な層からは、パラマウントのデビッド・エリソンCEOの父であり、オラクル共同創業者のラリー・エリソン氏の政治的影響力が連邦政府の承認を後押ししたとの見方が出ていました。今回提訴した州の司法長官は全員が民主党員です。
訴訟の審理には数ヶ月を要する見込みで、遅延はパラマウントにとって数億ドルの追加コストにつながる可能性があります。契約では、買収が10月までに完了しない場合、パラマウントはワーナー・ブラザースの株主に対し、四半期ごとに約6億5000万ドルの違約金を支払う義務を負っています。