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パラマウントの1100億ドル規模のワーナー買収、米12州が独禁法違反で提訴

カリフォルニア州をはじめとする米国の12州は、パラマウント・グローバルによるワーナー・ブラザース・ディスカバリーの1100億ドル規模の大型買収に対し、独占禁止法(反トラスト法)違反の疑いで差し止めを求める訴訟を提起した。この動きは、米司法省(DOJ)が既に承認している本案件にとって、深刻な障害となる可能性がある。
訴訟の概要と州側の主張
訴状によると、州側は本件買収が映画配給およびケーブルテレビ市場における競争を著しく阻害し、映画館や有料テレビ配給事業者に損害を与えると主張している。カリフォルニア州のボンタ司法長官は声明で「我々は rigged markets(不正に操作された市場)ではなく、自由で公正な市場のために戦っている」と述べた。
州側の主張では、買収が成立した場合、統合後の新会社が市場で占めるシェアは以下のようになると指摘している。
- 全米の映画配給市場:27%
- 大ヒット映画の配給市場:30%
- ベーシックケーブルチャンネル市場:27%
市場への影響とパラマウントの反論
Ad今回の提訴により、買収プロセスの遅延は避けられない見通しだ。パラマウントは、取引完了が10月を過ぎた場合、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの株主に対し、四半期ごとに約6億5000万ドルの違約金を支払うことに合意している。訴訟の判断には数ヶ月を要する可能性があり、遅延によるコスト増大はパラマウントにとって大きな負担となる。
これに対しパラマウント側は、買収によってインフラ、マーケティング、本社機能の重複を解消し、60億ドルのコスト削減を実現することで、映画製作本数を減らすのではなく、むしろ年間30本に増やすことが可能になると反論している。しかし、俳優や脚本家、映画館のオーナーなど業界関係者からは、雇用の減少や上映作品の多様性が損なわれることへの懸念が表明されていた。
背景と今後の見通し
注目すべきは、連邦レベルの規制当局である米司法省が既に本件買収を承認し、競争上の問題はないとの判断を下している点だ。しかし、今回の州レベルでの訴訟は、連邦政府の判断とは独立した新たな法的ハードルとなる。
訴訟の長期化は、取引の資金調達条件の再交渉や株価の不安定化、最悪の場合は取引そのものの中止につながる可能性もある。投資家は、司法判断が下されるまでの数ヶ月間、この大型案件を巡る不確実性に直面することになる。