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アストラゼネカ株:BofAが指摘するバリュエーション、パイプラインリスク、2027年のカタリスト

バンク・オブ・アメリカ(BofA)は、英製薬大手アストラゼネカ(AZN)について、単なるディフェンシブな製薬銘柄ではなく、「カタリスト主導のバリューストーリー」であるとの見方を示した。BofAは9月8日付のレポートで、同社を製薬セクターのトップピックに挙げており、パイプラインの強さと株価の割安感を評価している。
BofAの強気見通しを支える3つの柱
BofAの強気な見方は、主に3つの要素に基づいている。
- バリュエーション: 2027年度の予想株価収益率(PER)は約13.5倍と試算されており、今後の特許失効や臨床試験のリスクを乗り越えられれば、現在の株価は割安に見える。
- パイプラインによる防衛: 「AVANZAR」や「SERENA-4」といった重要な臨床試験が、市場で高まる独占販売権喪失への懸念を払拭する可能性がある。
- 2027年に向けたカタリスト: 「CAMBRIA-1」、新薬候補「saruparib」、「フォシーガ」のライフサイクルマネジメント、経口PCSK9阻害薬など、重要なニュースが続く見込み。
市場が織り込むリスクと強気シナリオの前提
9月14日のロンドン市場で、アストラゼネカの株価は前日比2.28%高の11,974.40ポンドで取引されているが、年初来では依然として12.80%の下落となっている。2026年12月末時点の予想PERが15.5倍であるのに対し、BofAが示す2027年のバリュエーションとの間にはギャップがあり、これは市場がパイプラインの成功に依存する将来の収益に対して不確実性を織り込んでいることを示唆している。
AdBofAの強気シナリオは、いくつかの重要な前提に基づいている。一つは、仮にAVANZAR試験が失敗しても、コンセンサス売上高への寄与は約10億ドルと限定的であるため、業績への打撃よりも投資家心理への影響が主となるという点だ。また、乳がん治療薬候補「camizestrant」の機会は、CAMBRIA試験へと移行しており、これは完全な開発失敗ではなく、遅延と捉えることができるとしている。
弱気シナリオと今後の焦点
一方で、アストラゼネカが直面するリスクも大きい。2026年にはAVANZARとSERENA-4という重要な臨床試験の結果が集中しており、投資家心理を大きく左右する可能性がある。また、新製品が期待外れに終われば、特許失効への圧力はさらに高まるだろう。大規模なパイプラインは、依然として規制当局の承認、商業的発売、薬価設定といった実行リスクを抱えている。
HSBCはより慎重な見方を示しており、「Wainua」の開発における後退を受けて同社の投資判断を引き下げ、2026年のカタリストへの道のりがより不透明になったと警告した。BofAの分析は、リスクが消えたことを意味するのではなく、市場がすでに過度にリスクを織り込んでいる可能性を指摘している。今後の焦点は、2027年が「リスクの年」から、パイプラインの価値を「証明する年」へと転換できるかどうかにかかっている。