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米国農務省、家畜害虫対策でアリゾナ州に2500万ドル投資 メキシコ産牛の輸入再開へ

Summary
米国農務省(USDA)は、家畜に被害を及ぼすラセンウジバエ対策として、アリゾナ州に2500万ドルを投じて不妊虫の放飼施設を建設すると発表した。メキシコ産牛の輸入禁止措置の解除を前に、防疫体制を強化する。
米国農務省(USDA)は29日、家畜の生きた肉を食い荒らす害虫「新世界ラセンウジバエ」の対策として、アリゾナ州に2500万ドルを投じて施設を建設すると発表した。この施設は、繁殖能力をなくしたハエ(不妊虫)を放出して害虫の根絶を目指すための拠点となる。
背景:メキシコ産牛の輸入再開と防疫強化
今回の投資は、USDAが1年以上前にラセンウジバエの米国内への侵入を防ぐために導入した、メキシコ産牛の輸入禁止措置を解除する計画と連動している。この輸入禁止は米国内の牛肉価格を記録的な水準に押し上げる一因となり、消費者や政府への圧力を高めていた。
USDAは8月24日にアリゾナ州ダグラスの入国港でメキシコ産牛の輸入を再開し、その後ニューメキシコ州の2港も開放する予定だ。しかし、一部の米国の畜産業者からは、輸入再開によるラセンウジバエの感染リスク増大を懸念する声も上がっている。
ラセンウジバエの脅威と対策
Adラセンウジバエは、温血動物の傷口に産卵する寄生バエの一種。孵化した数百匹の幼虫は生きた組織を食い荒らし、治療しなければ宿主を死に至らしめることもある。この害虫は中米を北上し、6月にはテキサス州やニューメキシコ州の農場でも確認されている。
USDAによると、最も効果的な対策は、不妊化したハエを大量に放ち、野生の個体と交配させて根絶を目指す「不妊虫放飼法」である。農務省は現在、テキサス州で7億5000万ドル規模の不妊虫生産工場も建設中であり、今回の施設建設は防疫体制をさらに拡大する取り組みの一環となる。
州政府の要請と経済的影響
アリゾナ州のケイティ・ホッブス知事は29日、USDAに書簡を送り、同州ダグラスに不妊虫の放飼施設を設置するよう提案していた。知事は「ラセンウジバエの継続的な脅威、家畜取引の長期的な混乱、生産者の追加コストは、牛肉価格を高止まりさせ、家計をさらに圧迫する可能性がある」と述べ、対策の重要性を強調した。