Story
米、イラン金融家ザンジャニ氏関連の9社4個人に追加制裁

Summary
米財務省は、イランの金融家ババク・ザンジャニ氏に関連する企業・個人ネットワークが制裁回避とイラン政府の資金調達を支援したとして、追加制裁を科した。対象はイラン、トルコ、UAEに拠点を置く企業などが含まれる。
米国財務省は24日、制裁下にあるイランの金融家ババク・ザンジャニ氏のビジネスネットワークを構成する9つの企業と4人の個人に対し、制裁回避を支援したとして追加制裁を科したと発表した。この措置は、イランに対する米国の経済的圧力を一段と強化するものとなる。
制裁の背景と目的
今回の制裁は、イランに対する米国の広範な圧力戦略の一環である。財務省によると、ザンジャニ氏のネットワークは、イラン政府が制裁を回避し、イスラム革命防衛隊(IRGC)への支援を含む「不安定化活動」への資金を調達することを可能にしてきた。
スコット・ベッセント米財務長官は声明で、イランが「無謀な行動に対してすでに大きな経済的代償を払っている」と指摘。通貨リアルが史上最安値を更新し、インフレ率が60%を超えるなど深刻な経済状況に言及し、今後もイラン政府関係者とその資金提供者への経済的アクセスを断ち続ける姿勢を強調した。
ザンジャニ氏の活動と制裁対象
ババク・ザンジャニ氏は、長年にわたりイランの制裁回避ネットワークの中心人物とされてきた。同氏は2016年にイランで横領罪により死刑判決を受けたが、2024年に減刑。その後、再び政府の経済プロジェクト支援者として活動を再開したと財務省は指摘している。
Adザンジャニ氏は、金融サービス、デジタル資産取引、金生産、インフラ事業など多岐にわたるポートフォリオを活用し、イラン政府のために資金洗浄や秘密裏の資金移動を行っていたとされる。今回指定された主な対象は以下の通り。
- イランを拠点とするザンジャニ氏の複合企業「Dot One」グループの持ち株会社、金生産会社、鉄道会社など
- トルコを拠点とし、制裁対象のデジタル資産取引所を支援した決済会社「Zedpay」とその会長
- アラブ首長国連邦(UAE)を拠点とするデジタル資産関連会社「Zedx DMCC」とそのマネージャー
- 同じくUAEを拠点とし、ザンジャニ氏の妹が管理するダイヤモンド販売会社「BZ Diamond FZCO」と妹本人、およびザンジャニ氏のパートナー
市場への影響
今回の追加制裁は、イランを国際金融システムからさらに孤立させ、同国の経済的苦境を深めることを意図している。投資家にとっては、中東地域の地政学的リスクの高まりを改めて認識させるものとなる。
特に、トルコやUAEの企業が対象となったことは、二次的制裁のリスクが広範囲に及ぶ可能性を示唆している。これらの地域で事業を行う企業は、意図せず制裁対象者と取引するリスクを回避するため、コンプライアンス体制の確認がより一層重要となる。