Story
ウクライナ、長距離攻撃部隊を新設 ロシア経済への打撃強化へ

Text size
Background
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ロシア国内のエネルギー施設や物流拠点への攻撃を強化するため、軍内に「長距離影響」を目的とする特殊部隊を新設したと発表した。この動きは、ロシアの戦争遂行能力を経済的な側面から削ぐことを狙いとしており、すでにロシアの燃料生産や輸出に影響が出始めている。
長距離攻撃部隊の創設
ゼレンスキー大統領は10日の国民向けビデオ演説で、「本日、軍内に特殊部隊を設立する大統領令に署名した」と述べた。この部隊は「ロシアの戦争遂行能力をさらに低下させることに、利用可能な資源の100%を集中させなければならない」と強調した。
ウクライナはここ数ヶ月、ロシア国内数千キロに及ぶ主要なエネルギーインフラを標的としたドローン攻撃を続けている。今回の部隊新設は、国家予算の主要な歳入源であるエネルギー部門を狙うことで、ロシアの戦争継続を困難にさせるというウクライナの戦略を正式化し、さらに強化するものとみられる。
ロシア経済への具体的な影響
ウクライナによる長距離攻撃は、すでにロシア経済に具体的な影響を及ぼしている。ロイター通信が報じたところによると、その影響は多岐にわたる。
Ad- エネルギー生産の低下: 南部のイルスキー製油所やレニングラード州のウスチ・ルーガ石油精製施設などへの度重なる攻撃により、業界筋およびロイターの試算によると、ロシア国内のガソリン生産能力は約65%まで低下している。
- 輸出規制: 国内の燃料不足に対応するため、ロシア政府は水曜日にディーゼル燃料の輸出を禁止する措置を発表した。
- 海上輸送の混乱: ウクライナ軍によると、アゾフ海でタンカーが攻撃されるなどしており、ロシアはドン川とアゾフ海を結ぶ航路の通航を一時的に停止した。専門家は、この航路停止が同地域のロシア産小麦輸出の約4分の1に影響を与える可能性があると指摘している。
戦況と今後の見通し
これらの攻撃の成功は、戦争初期の消耗戦からウクライナの戦略が大きく転換したことを示している。しかし専門家は、ウクライナが戦況を転換させたと判断するのは時期尚早だと警告する。
ゼレンスキー大統領自身も、ウクライナは依然としてロシアの弾道ミサイル攻撃に対して脆弱であり、防空能力の不足が課題であると認めている。今回の部隊新設が、戦局全体にどのような影響を与えるか、市場関係者は注視している。