Story
ポンド下落、米雇用統計を前にドル買い優勢

英ポンドは7日の外国為替市場で対米ドルで下落した。英国固有の材料に乏しい中、市場の注目がこの後発表される米国の非農業部門雇用者数(NFP)に集まっており、結果を見極めたい投資家によるドル買いが相場を押し下げた。
米雇用統計を控えドルが全面高
協定世界時(UTC)午前9時10分(日本時間午後6時10分)時点で、ポンド/ドル相場は前日比0.11%安の1ポンド=1.3443ドルで取引された。一方、ユーロ/ドル相場はほぼ横ばいの1ユーロ=1.1525ドル近辺で推移している。
この日のポンド売りは、英国の経済指標や金融政策に関連したものではなく、米雇用統計という重要イベントを前にしたドル需要の高まりが主な要因だ。INGの為替ストラテジスト、フランチェスコ・ペソレ氏は、この動きについて「リスクセンチメントの悪化、中東情勢を巡る報道を受けた原油価格の反発に加え、今日のデータ発表を前にした予防的なドル買いが影響している」と指摘している。
市場の注目はFRBの金融政策
市場参加者は、今回の雇用統計が米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策の方向性を占う上で重要な手がかりになるとみている。特に、7月の連邦公開市場委員会(FOMC)におけるケビン・ウォルシュ議長の曖昧な発言以降、市場はサプライズに対して神経質になっている。
AdINGのエコノミストチームは、7月の非農業部門雇用者数の増加幅を7万人と予想しており、これは市場コンセンサスの8万人増を下回る。同行は、このシナリオが実現した場合、「ドルをやや軟化させる可能性がある」ものの、9月の利下げ織り込み度を大きく変えるものではないとの見方を示した。市場の真の関心は、来週発表される米消費者物価指数(CPI)に移っており、ペソレ氏は「ドルの決定的な方向性が出るのはそれまで待つ必要があるかもしれない」と述べている。
今後の見通し
INGは、FRBが政策金利を据え置くと予想されることから、今後数カ月にわたってドル安が進むという基本的な見方を維持している。しかし、ユーロやポンドが現在のレンジを明確に上抜けるには、来週のCPIを含む8月の経済指標が「より明確なハト派的(金融緩和的)な内容」となり、ドルを持続的に押し下げる材料が必要だとしている。
同行はユーロに対して強気な見方を維持しており、1カ月後の目標値を1.16ドル、年末の目標値を1.18ドルに設定している。ポンド相場も当面は、米国の金融政策の行方を巡るドル相場の動向に左右される展開が続くとみられる。