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SpaceX株、IPO価格割れ — 市場の信認を問う試金石に

Summary
イーロン・マスク氏率いるSpaceXの株価が、6月の記録的な新規株式公開(IPO)から1カ月余りで公開価格を初めて下回った。大型上場案件であっただけに、投資家心理や今後のIPO市場への影響が懸念されている。
イーロン・マスク氏が率いるSpaceXの株価が、6月の記録的な新規株式公開(IPO)からわずか1カ月余りで公開価格を下回った。鳴り物入りでデビューした同社株への信認を問う動きとなり、個人投資家や今後の大型上場を検討する企業にとって重要な局面を迎えている。
IPO価格割れの背景
6月12日に上場したSpaceX株は、当初急騰し、一時は時価総額が2兆ドルを大きく超えた。しかし、ハイテク株の過大評価への懸念が市場の重荷となる中、株価は不安定な動きを見せていた。
ロイター通信によると、同社株は水曜日に初めて公開価格である135ドルを割り込み、取引時間中には一時132.15ドルの安値を付けた。その後はやや値を戻したものの、IPOから1カ月余りでの価格割れは、市場心理に影響を与えている。
ミラー・タバクのチーフ市場ストラテジスト、マシュー・マレー氏は、公開価格割れは「心理的な打撃」であり、「株価がファンダメンタルズではなく、憶測や過熱感で上昇したとの見方を強める」と指摘した。
正常な「価格発見」プロセスか
Ad一方で、専門家からは新規上場後の株価下落は珍しくないとの見方も出ている。過去にはMeta(旧Facebook)やCerebras Systemsも上場後に公開価格を下回ったことがある。
金融サービス会社Direxionのライアン・リー氏は、現在の状況は「価格発見のプロセス」が続いているに過ぎないと述べる。また、ロックアップ期間(大株主などの株式売却が制限される期間)の終了に伴い、従業員やベンチャーキャピタルが株式を売却することも、株価の正常な調整メカニズムの一部だと指摘する声もある。
今後のIPO市場への影響
SpaceXの株価動向は、上場を検討しているとされるOpenAIやAnthropicといった他の大型案件にも影響を与える可能性がある。カーネギー・インベストメント・カウンセルのグレッグ・ハルター氏は、企業や引受会社はSpaceXの動向を注視しており、「IPOの失敗は誰も望んでいない」と述べ、一部の案件は延期される可能性を示唆した。
しかし、逆の見方もある。Direxionのリー氏は、AI開発競争で巨額の資金を必要とする企業にとっては、競合に先んじて市場から資金を調達する動機になり得ると分析する。今後の大きな試金石は、同社初となる四半期決算報告となる見通しだ。