Story
サノフィ株が下落、アトピー性皮膚炎治療薬の開発中止を発表

Summary
フランスの製薬大手サノフィは、アトピー性皮膚炎の治療薬候補「アムリテリマブ」の臨床開発を全面的に中止すると発表。大型製品デュピクセントの後継と期待されていたパイプラインの喪失を受け、同社株は大幅に下落した。
フランスの製薬大手サノフィは24日、中等症から重症のアトピー性皮膚炎治療薬として開発中だった「アムリテリマブ」の臨床開発を全面的に中止すると発表しました。これを受け、同社の株価は一時1.7%下落し、投資家の間で将来の成長に対する懸念が広がっています。
開発中止の背景
サノフィは、これまでに得られた有効性と安全性の総合的なエビデンスが、世界的な規制当局への承認申請を進めることを正当化するものではないと結論付けました。アムリテリマブは、2021年にサノフィが11億ドルでKymab社を買収した際に獲得した資産です。
この薬剤は、同社の免疫領域における大型ブロックバスター製品「デュピクセント」を補完、あるいは後継する最有力候補の一つと見なされていました。アナリストは今回の決定に先立ち、アムリテリマブのピーク時売上高予測を約10億ユーロに引き下げていました。
市場への影響と投資家の懸念
この発表を受け、サノフィの株価は75.04ユーロまで下落し、52週安値(71.25ユーロ)に近い水準で推移しました。同社は2026年通期の業績見通しを修正しないとしていますが、市場の反応は、このパイプラインの喪失が重要な戦略的後退であるとの見方を反映しています。
Ad今回の開発中止は、デュピクセントへの過度な依存という、投資家が長年抱える懸念を改めて浮き彫りにしました。デュピクセントの独占権が失われる前に、持続的な成長エンジンを構築できるかどうかが同社の大きな課題となっています。
今後の見通し
サノフィは2025年以降、いくつかの開発プロジェクトで期待外れの結果が続いており、デュピクセントの後継となる資産の開発・買収への圧力が高まっています。今月末に予定されている次回の決算報告を前に、今回の発表は慎重なトーンを設定するものとなりました。
同日のフランス株式市場(CAC 40指数)も下落しましたが、サノフィ株の下落は市場全体の地合いではなく、ほぼ完全に同社固有のニュースが要因であると見られています。